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研修医記録

自治医科大学附属病院 臨床研修医(研修期間R5.1.9~R5.3.5)

 1月から2ヶ月間、地域医療研修として大変お世話になりました。この2ヶ月間は外来業務も病棟業務も初めてのことばかりで戸惑うことが多く、周りの先生方や他職種の方にたくさん助けていただきながら研修を終えることができ、とても感謝しています。
 自治医科大学では外来研修はなく、当直でも研修医のみで行う経験はなく、必ず上級医の先生と一緒に診察していたため、こちらの病院に来て初めて外来業務を経験しました。腹痛や腰痛、健診異常等、さまざまな主訴で来院される患者さんに対して研修1週目ではどのように接し、診察を進めていけばよいか、検査はどこまで行うべきかなど、わからないことばかりで不安だったことを覚えています。今でも毎日悩みながらの診療ですが、必ず指導医の先生に確認し、アドバイスをいただきながら、自分の中で少しずつですが診療の楽しさを感じられるようになりました。また、初診で受け持った患者さんの状態が良くなり、やりがいも感じられるようになり有意義に過ごせたことが貴重な経験となりました。それとともに、腹痛や腰痛等の主訴で受診され、考えられうる検査を施行しても原因がはっきりしない症状が多いことにも難しさを感じました。患者さんは間違いなく症状に困っているため受診したのに原因がわからないために対症療法で経過観察せざるを得ないことが予想以上に多く、戸惑うことが多かったです。また、同じ様な症状で受診しても検査をどこまで行うべきかを考えることも難しかったです。人対人の診療ではどれひとつ同じものはないため、ここに合わせ、診療も治療も変えていかなければならない重要さをとても感じました。
 外来で診察し、入院が必要と判断した患者に対して主治医として本人や家族にICを行ったり、治療をし、退院まで診ていくことも初めての経験でした。また、人によっては治療はすでに終了し医療的な入院の必要性はないけれども、社会環境調整のために入院継続が必要な患者さんを受け持つこともあり、大学病院ではなかなか経験出来ないことも経験できとても勉強になりました。
 あがの市民病院は病院内に介護医療院があり、介護老人保健施設も併設されており、ここで完結できることが多く、市民にとってなくてはならない場所だととても感じました。病院に併設しているので、何か体調に気になることがあればすぐに受診できるというのは、患者や家族にとって間違いないく安心できる場所であり、また、病院側としても連携を取りやすく患者の詳細な情報をすぐに得られるため、対応が素早く治療を行いやすいメリットがあると思います。私は4月から皮膚科医として働くため、他の科に比べれば生死に関わる疾患は少ないかもしれません。しかし超高齢化社会の今、内科的疾患を抱えた患者さんに関わることは多く、その時に地域の医療に関して理解していることで行政や医療と連携して患者さんにより良い医療を提供できるよう精進していきたいと思いました。この病院で研修できたこと、お世話になった皆さんに感謝します。ありがとうございました。

自治医科大学附属病院 臨床研修医(研修期間R5.1.9~R5.3.5)

 まずはじめに、2ヶ月間あがの市民病院で地域医療研修をさせていただき、誠にありがとうございました。院長をはじめ、各科の先生方、病棟・外来の看護師の方々、検査技師・放射線技師・事務の皆様を含め多くの病院スタッフの方々に大変お世話になりました。2ヶ月間の研修を終え、多くのことを学び、成長できたと感じております。
 研修内容としては、主に外来業務と病棟業務がありました。
 外来業務では診療の流れや患者さんとのコミュニケーション・ICなどについて学びました。紙カルテ・紙オーダー、IDすらない完全に初診の患者さんを外来で診ること等初めてのことが多く、不安を感じていましたが、内科の先生方や看護師の方々に助けられながら、徐々に外来業務に慣れていくことができました。健診異常の精査、発熱、腹痛、食欲不振、浮腫、呼吸困難、意識障害など多岐にわたる主訴の方々を診察し、肺炎、胆石症、新型コロナウイルス感染症、インフルエンザ、心不全、腎不全、アニサキス症、胃潰瘍、特発生器質化肺炎、PE /DVT、COPD急性増悪など様々な症例を経験することができました。
 病棟業務では、自分が外来で診察した患者さんで、入院が必要と判断された方の全身管理をさせていただきました。入院時は体調が優れなかった方が、治療が奏功し元気になって退院し、さらにフォローの外来でも元気な姿を拝見することができ、医師として何物にも変え難いやりがいを感じることが出来ました。一方で、ご高齢で徐々に食事摂取量が減少し全身状態が悪化してきたため入院となった方で、病院で最期を迎えてしまう結果になった方も経験し、自分の無力感を感じることもありました。しかし、外来・入院中に何度もご家族にICを行ったり早めに面会していただくなどしたことで、ご家族から「いい最期を迎えられました。ありがとうございました。」と感謝いただいた際には、また違ったやりがいのようなものを感じることができました。
 あがの市民病院での研修を通して、地域に暮らす方々と深く関わり、地域医療の役割を理解し、僅かながらも地域医療における医師としての役割を実践することができました。この経験は今後の自分自身の医師人生において大きな糧になると思います。
 最後に、院長、指導医の先生方、看護師の方々をはじめとする病院職員のみなさまに重ねて感謝申し上げます。あがの市民病院での2ヶ月間多くの方々に支えられながら研修することができ、医療はチームで行われているということを改めて実感しました。
今後も周りの方々に支えられていることに感謝を忘れず、日々の診療に全力で取り組んでいきたいと思います。

関東労災病院 臨床研修医 鈴木芳和(研修期間R5.1.30~R5.2.26)

関東労災病院 臨床研修医 鈴木芳和(研修期間R5.1.30~R5.2.26)

 この度は、4週間にわたる研修の機会を与えていただき、誠にありがとうございました。
豪雪に見舞われながら、あがの市民病院に初めて足を踏み入れた日のことを今でも鮮明に覚えております。あまりにも厳しい寒さの中、研修は始まりました。しかし、そんな気候とは一変、明るく温かいスタッフに囲まれ、充実した研修を送ることが出来ました。院長の藤森先生をはじめ、上級医の先生方には多くのことを教えていただきました。看護師さんを含むメディカルスタッフの方々にも様々な面で支えていただきました。ありがとうございました。慣れない一般外来業務がメインではありましたが、医師として必要不可欠なスキルであることに間違いなく、貴重な経験をさせていただきました。また、院内での症例検討会など知識や思考力をブラッシュアップする機会をいただけたことも大変ありがたかったです。
 担当した患者様のほとんどが高齢であり、一人暮らしや高齢者のみの世帯で生活をされている方も決して珍しくなく、地方における超高齢化を肌で感じることができました。また、そのような環境における医師の働きの重要性も痛感させられました。あがの市民病院は急性期の患者様が入院する病棟に加え、介護保険の施設である介護医療院があり、また、介護老人保健施設も隣接していました。それぞれが連携することで、高齢の患者様を医療的側面だけでなく、社会的側面からも支援する体制が整えられており、地域におけるとても重要な役割を果たしていると感じました。また、疾患の治療だけでなく、社会調整目的に入院となる患者様も担当することで、患者様を全人的に診て、支援するという視点も学ぶことができました。これらは関東圏内の役割が細分化された医療機関ではなかなか体験できることではないと考えており、これらを初期研修医の間に経験できたということは、今後医師として働いていくうえで貴重な財産になるということを確信しております。
 至らない点も多々あったかと存じますが、お忙しい中、丁寧にご指導いただきました先生方、慣れない環境の中様々な場面で助けてくださったメディカルスタッフの方々、阿賀野市での生活を支えてくださった事務の方々、本当にありがとうございました。今回の研修での経験を活かし、これからも精進していきます。

関東労災病院 臨床研修医 清水道紀(研修期間R5.1.2~R5.1.29)

関東労災病院 臨床研修医 清水道紀(研修期間R5.1.2~R5.1.29)

 1ヶ月という短い間でしたが、地域研修としてあがの市民病院でお世話になりました。
この地域研修は初日の藤森院長のお話から始まりました。そのお話の中では、地方は超高齢化が進んでいるという事と、漢方薬をうまく活用して欲しいという2点が印象的でした。そして実際当院で一般外来、救急対応で働く中で、この2点に関して強く実感したことがありました。
 1つ目の、地方では超高齢化が進んでいるという話は、やはり受診される患者のご年齢から実感できました。阿賀野市の令和2年の高齢化率は33.7%と上昇傾向であり、一人暮らし高齢者や高齢者世帯、認知症高齢者が増加しています。特に一人暮らしの高齢者の方は受診することそのものが困難であり、自宅で体動困難となっている場合には受診が遅れてしまうことがありました。入院治療後の退院となった際も、自宅で介護できる方が少なかったり、介護する方もご高齢であったりと、地方の高齢化及び人口減少を身をもって実感しました。当院には介護医療院が併設されており、自宅で過ごせない方々の点滴や胃管等の管理を継続して行なっていける点で、地域医療に強く貢献していると感じました。
 2つ目は漢方薬についてです。お恥ずかしながらこれまでの初期研修を通して、大建中湯しか処方してきませんでした。またその作用、薬効や処方時の考え方については精通しておらず、漢方についての知識を問われた際に返答に詰まってしまったことを記憶しております。いただいた「漢方薬ポケットBook」は自分のような初学者でも理解できるよう簡潔にまとめられており、重宝しました。初診外来は食思不振や腹痛など鑑別が広い主訴が多く時に明らかな結論に達しない場合があります。中でも印象に残っている1症例があります。肋間神経痛を疑う側胸部痛があり、疼痛薬やメチコバール等内服で改善を認めなかった症例です。その他の疼痛原因の精査をした上で、肋間神経痛を疑い桂枝加朮附湯の処方をしましたが、その後の再診時に症状改善しており漢方薬の効能を実感いたしました。この処方は当院での研修がなければ想起もしなかった選択肢であり、大変貴重な経験をしたと感じております。
 総括しますと、地域医療の現状とその対応について体験し、主治医として責任を持って治療選択にあたった1ヶ月間でありました。医師、看護師だけでなく看護補助者や技師の方々とも交流する機会があり懇切丁寧にご指導いただいたおかげと感じております。もくもく勉強会などコメディカルの方々と顔を合わせる機会も設けていただき、コロナ禍で対人交流の疎遠になった中でもスタッフ同士の交流を行うことができたと思います。改めて、大変お世話になりました。ありがとうございました。

自治医科大学附属病院 臨床研修医 (研修期間R4.11.7~R5.1.8)

 2か月間あがの市民病院で地域研修をさせていただき、誠にありがとうございました。病院のスタッフの皆さまのおかげで、短期間ではありましたが大変濃密で学びの多い研修を行わせていただくことができました。こちらへ来る前は、初めて住む阿賀野市という土地のイメージが湧かず、不安もありましたが、実際に来てみると、瓢湖に観光に行ったり、通勤時に空を羽ばたく白鳥を見かけたりして、心が洗われるような自然豊かな環境で、充実した2か月を過ごすことができました。また、研修開始時は過ごしやすい気候でしたが、徐々に凍えるような寒さとなり、想像を超える積雪量に、新潟の冬の厳しさを改めて痛感しました。
あがの市民病院の地域研修では、主に内科外来、発熱外来、病棟管理を担当いたしました。
 内科外来や発熱外来では、次から次へと受診される患者さんの数の多さに圧倒されてしまう場面がありましたが、大学病院で診ることの少ないcommonな疾患を持つ患者さんを多く診察することができ、大変勉強になりました。
 病棟では、主治医として様々な疾患の患者さんを担当いたしました。主治医を務めるのは初めてであり、主治医としての責任と緊張感を身をもって感じ、大変貴重な経験をさせていただいたと思っています。印象に残っていることとしては、主治医として患者さんとそのご家族に病状説明をする機会が多くあり、分かりやすく、正確に現状を伝えるためにはどのような表現で説明をすればよいか、時に指導医の先生方に助けていただきながら、試行錯誤したことです。大学病院では、自ら病状説明を行う機会は今までなく、上級医の先生の説明を聞いているだけでしたが、実際にやってみると、説明することの難しさを痛感するとともに、患者さんとそのご家族の気持ちに寄り添えるような説明を目指したいと思いました。今後、先生方の病状説明を参考にしながら、自分なりの型を作っていければと考えています。
 また、毎週火曜日に行われる院長回診では、受け持ち患者さんのプレゼンテーションを行う中で、藤森院長からフィードバックを頂き、新たな気づきを得る場面が多くありました。起こったことに対処することで精一杯になってしまっている自分に気づき、どうしてこのような病態になったのか、原因を考えることの重要性を改めて感じました。
 最後にはなりますが、2か月間大変お世話になりました。病院のスタッフの方々や同期の先生の励ましや支えがなければ、地域研修を終了することは困難だったと思います。本当にありがとうございました。あがの市民病院の地域研修で学んだことを生かし、医者として働いていく中で患者さんに還元することができるよう、これからも精進していきたいと思います。また、どこかでお会いできることを楽しみにしております。 

自治医科大学附属病院 臨床研修医 (研修期間R4.11.7~R5.1.8)

 2か月間大変お世話になりました。期待と不安を抱えて新幹線に乗り込み、紅葉に染まった山々を見ながら水原駅にたどり着いた時のことをつい昨日のことのように思い出しながら書いています。
 あがの市民病院での研修は、初日から今までの研修医生活では経験できなかったことの連続でした。私の記念すべき初めての外来は胸痛が主訴の方でした。胸痛で考えなければいけない疾患、聞くべきこと、取るべき身体所見や検査を一生懸命考え、一人の患者さんを診ることはこんなにも大変で不安なものなのかと実感しました。もちろん指導医の先生方はお忙しい中、丁寧に一緒に考えてくださり、大変心強かったとともに、私には抜けていた様々な視点を提示してくださり、とても勉強になりました。後日、私が疑った診断が間違っていなかったことがわかり、再診時に「だいぶよくなったよ」とおっしゃっていただき、とても嬉しかった気持ちは、この先医師を続けていく中で一生忘れない出来事だと思います。その他にも、健診異常という日々の健康を維持し病気の予防となる診察から、虚血性心疾患や脳梗塞という緊急で対応しなければならない疾患まで、本当に幅広くかつ重要なcommon diseaseを経験することができました。
 病棟では初めて主治医として治療方針を決めるという難しさを痛感しました。入院時からご本人やご家族とお話し、共に治療を行っていく中で病態や治療内容をわかりやすく伝えたり、時には厳しいお話をしなければいけなかったりした際に言葉を選びながら説明することは非常に難しく大変でした。しかし、丁寧に繰り返し伝えることで感謝されたときは本人やご家族との信頼関係の重要性を実感し、症状が軽快し退院することができたときは本当にうれしく医師としてやりがいを感じられました。そして私がこの研修で最も楽しみにしていた訪問診療では、吹雪いている中行くこともあり、暖かいお宅にお邪魔した際には、住み慣れた自宅でご家族と過ごしながら療養することができる環境が整っているということは、患者さんにとってとても重要なことで、今後在宅医療を行っていくという自分の目標を再確認することができました。短い期間でしたが、すべての症例は今後家庭医を目指す私にとってとても重要で興味深いことばかりであり、本当に貴重かつ必要な経験をさせていただいきました。日々の診療でうまくいかないこともあり落ち込むこともありましたが、研修医の間に自分で考え自分で判断し実行するという経験を繰り返し行えて本当によかったと実感しています。今後大学病院に戻ってからもこの経験を活かし、主体的に考え積極的に患者さんやご家族に接していこうと思っています。
 最後になりましたが、お忙しい中丁寧にご教授くださった先生方、カルテの使い方や病院のシステムなど優しく教えてくださった看護師さん、休日や夜間も対応してくださった検査科や技師の皆さん、生活を支えてくださった事務の方々、そして本当にお忙しい中症例検討や回診などで様々なことを教えてくださった院長先生には感謝してもしきれません。2か月間、本当にありがとうございました。

関東労災病院 臨床研修医 (研修期間R4.12.5~R5.1.1)

 この度は1か月間にわたりあがの市民病院で地域医療研修を行う機会を与えていただき誠にありがとうございました。新型コロナウイルス感染症が第8波を迎え猛威を振るい、また厳しい寒波が新潟県を襲う中ではありましたが、先生方のご指導や看護師、放射線技師などメディカルスタッフの方々、事務の方々のご配慮の下で、研修を修了することができました。この場をお借りして厚く御礼申し上げます。
 阿賀野市は高齢化率が令和4年3月現在で34%を超え、高齢化が進んでいる地域です。その中であがの市民病院は阿賀野市の他に阿賀町、五泉市を含めた3つの自治体を医療圏とした総合病院として、一般病床、地域包括ケア病床、介護医療院を有し、急性期から回復期、慢性期、在宅医療に至るまで対応しているため、訪れる患者様は多種多様です。また、関連施設として健康管理センター、介護老人保健施設、訪問看護ステーション、居宅介護支援事業所があり、地域中核病院として、高齢者医療、在宅医療など地域包括ケアの中心として、「医療、介護、介護予防、生活支援、住まい」のサービスをシームレスに提供しています。
 今回の研修では、主に内科初診外来と病棟主治医を担当させていただきました。その他にも訪問診療、救急対応と様々な経験をさせていただきました。内科初診外来では急性発症の症状だけでなく、慢性的な症状や健康診断異常など、長期的視点を考えながら診療にあたる必要のある患者さんを数多く診察させていただきました。阿賀野市周辺地域の開業医数は他地域と比較すると少なく、地域住民の方々の外来診療に対する期待は高いため、その期待に応えるべく奮闘する日々でした。複数の基礎疾患を有する高齢患者が多いため、臓器別専門知識はもちろんのこと皮膚科、泌尿器科などといった内科以外の網羅的知識が必要であり戸惑うことが多くありました。それに加え、患者さん1人1人の社会的背景にも配慮しながらの診療は苦戦しましたが、指導医の先生方のフィードバックや院長先生の振り返りを通して、自分の診療の反省点について、その都度ご指導いただけたことで日々成長を実感できました。病棟では主治医として日々の診療にあたり、方針決定から病状説明まで主体的に診療させていただきました。多職種の方々との連携で担当患者さんが無事に退院された時には何ものにも代え難い喜びを感じることが出来ました。一方で長期の入院を余儀なくされる患者さんもおり、その方の入院生活がよりよいものとなるように働いたことも今後の大きな糧となると確信しています。
研修期間中は医師として、そして人としての実力不足を痛感する場面も多々ありました。しかし、関わっていただいた皆様のおかげで充実した研修期間とすることができました。この1ヶ月間で得た貴重な経験を今後の診療に生かし、日々精進していきたいと思います。

関東労災病院 臨床研修医 A.N(研修期間R4.11.7~R4.12.4)

 新型コロナウイルス感染症が流行する中、地域研修を行わせていただき誠にありがとうございました。研修期間中に第8波と重なったこともあり、発熱外来を受診する患者さんは連日増加し、クラスターで新規の入院を停止せざるを得ない事態になるなど、新型コロナウイルス感染症の感染力の強さを再認識させられました。
 あがの市民病院では、外来と入院を担当させていただきました。外来では、自分の外来枠を受け持ち、指導医の先生からフィードバックをいただきながら、主に新患患者さんを担当させていただきました。普段勤務している関東労災病院では自分枠の外来を担当することはほぼなく、救急外来がメインとなっています。救急外来は特性上、緊急性の有無に重点が置かれており、精査は後日外来に来ていただく、あるいは、かかりつけ医でフォローをお願いしていました。自分の外来を担当することがないため、救急外来での対応で患者さんがその後よくなったのか、悪くなったのか、変わらなかったのか直接お会いして様子をうかがう機会はなく、精査の場合は、専門科にお願いしていました。新患で担当した患者さんに自ら治療介入を行い、自分でフォローする、精査を進めていく過程は新鮮でした。フォローした際の外来でよくなった様子を拝見できた時は、日々喜びを感じるとともにホッとする瞬間でした。
 入院業務では、指導医の先生にお力添えをいただきながら、主治医として担当させていただきました。主治医として患者さんやそのご家族と相談しながら、患者さんの治療方針を決定し、経過をお話しするのは初めての経験でした。厳しい状態の患者さんにインフォームドコンセントをする機会があり、患者さんやそのご家族にとってどうするのがよいのか、ご本人・ご家族にどうお伝えしようか日々、悩みは尽きませんでした。
 指導医の先生方、医局の秘書さん、看護師さんをはじめとするコメディカルの方々に至らぬ点を多々サポートしていただきました。多くの方々の支えによって普段できないようなことを経験させていただき、充実した研修を行うことができました。どこかで機会がありましたら、またご一緒に働けることを楽しみにしております。その時に成長した姿でお会いできるよう、今回の経験を生かして日々精進したいと思います。
 1か月間大変お世話になりました。ありがとうございました。

関東労災病院 臨床研修医 上野竜治(研修期間R4.10.10~R4.11.6)

関東労災病院 臨床研修医 上野竜治(研修期間R4.10.10~R4.11.6)

「いつ急変されてもおかしくない状態になってしまったと言えます」
 主治医として、僕は電話口で患者さんの御家族に話をしている。
 僕はこの病院で初めて主治医というものになった。主治医にはやらなければならないことが多い。患者さん、御家族のことを理解し、治療方針を提案し、治療予定を立てる。各科に相談し、検査を決め、結果を評価し、御本人や御家族に説明する。常に先のことを考えて治療にあたらなければならない。だが、残念ながら想定通りに事が進まないことの方が多いように感じる。僕の患者さんも、経過良好だったのだが、突如として生命が脅かされる事態が生じたのである。
「面会を許可させて頂きたいと思います。ご都合が決まりましたら再度ご連絡頂けますか」
 一方で、主治医にはできることが多い。僕は患者さんには全員親族のつもりで接している。親族の命が危ぶまれているのに会えないことがどれほど辛いかを僕は知っていた。現在ほとんどの病院が感染症対策で面会ができない。そういった観点では、この段階での面会許可は時期尚早かもしれないとも思った。だが僕の提案を指導医の先生は快諾して下さった。その後御家族は当日の面会を希望された。閉鎖空間で患者さんと時間を過ごした方が良いと判断し、看護師さんに個室を用意して頂いた。突然の指示にも関わらず、看護師さんは快く対応して下さった。「会話ができたんですよ」。面会後、部屋から出てきた御家族は笑顔だった。
 あがの市民病院での研修は、主治医としての責任や自らの未熟さを痛感しつつも、退院していく患者さんの表情にやりがいを感じる日々だった。主治医を実際に経験して強く感じたことは、主治医はあくまで“主だって治療にあたる医師”にすぎないということである。僕が主治医になり得たのは、指導医や看護師、薬剤師、MSW、そして患者さんと御家族、全ての人に支えられたが故だった。主治医として、チーム医療の肝要さを大いに感じた1か月間だった。今後、再び主治医として患者さんを担当させて頂く際は、今回の研修で学んだチーム医療を活かして患者さんに少しでも質の高い医療を提供したいと思っている。
 1か月間が信じられないほど早く過ぎたように感じる。そう思うほど、僕の研修が充実したものになったのは周囲の方々に恵まれていたからである。僕のような一研修医をいつも気にかけて下さった藤森院長をはじめとする先生方各位、覚束ない僕を指導医として見守って頂いた先生方、研修初期の僕を支えて頂いた松川看護師、病棟や外来で忙しい中、迅速に対応して頂いた看護師各位、毎朝暖かい言葉をかけて下さった事務の今成氏、他すべてのお世話になった方々に感謝を申し上げたい。また、同時期に大垣先生、石塚先生、花野先生と研修ができたことは自分にとって幸運だった。彼らからはチームワークの大切さ、医療に真摯に向き合う姿勢を学んだ。何より、同期の暖かさを肌身に染みるほど感じた。医師として、人間として尊敬するべきところが多く、本当に同期に恵まれた1か月間だった。
 半袖でやって来た新潟だが、帰京する今となってはジャンパーが必要になった。もうすぐ長い冬が来て、新潟を深い雪が覆う季節になる。外来や病棟で、高齢者同士の家族の多さを大いに感じた。病院だからという点を考慮しても、高齢化は顕在しているように思われた。厳しい季節になるが、どうか体調変化、雪による転倒に十分気を付けて頂きたい。あがの市民病院で研修をした一研修医として、地域の方々の健康を願っている。

 あがの市民病院と、前述した方々すべての今後のご活躍とご健勝をお祈り申し上げます。
 1か月間本当にありがとうございました。

自治医科大学附属病院 臨床研修医 大垣宣敬(研修期間R4.9.5~R4.11.6)

自治医科大学附属病院 臨床研修医 大垣宣敬(研修期間R4.9.5~R4.11.6)

 磐越自動車道を西に進み、連なる山々をやっと越えたと思った矢先に、阿賀野市はありました。人生初の日本海側地域は、「別世界」であり、それは目で、耳で、肌で感じさせてくれるには十分すぎる程の広大な眺望でした。この様な地で、地域医療研修は、えも言われぬ高揚感の中でスタートし、多くの経験と学びを以て終わりを迎えようとしています。あがの市民病院での2ヶ月の研修を締めくくるにあたり、何よりもまずこの研修を笑顔で支えあって苦楽を共にしてくれた自治医科大学附属病院、新潟市民病院、関東労災病院の同期4人に感謝を伝えたいと思います。また、優しくご指導いただいた先輩医師の皆様、至らない点にたくさんのアドバイスや叱咤激励を頂いた看護師さん、メディカルスタッフの皆様に深く感謝申し上げます。
 「いや、別に何ともねぇんだ」「そんな大したことないよ」とおっしゃっていた外来患者さんが精査の末に入院や緊急手術となる経験を通して、あがの市民病院がいかに地域の人々の健康を守っているかを痛感しました。私の所属している自治医科大学附属病院では、研修医が外来診療をする事はほとんどなく、入院患者さんもチーム主治医制で管理しているため、近隣の病院やクリニックから紹介されて入院する患者さんに医療を提供する事が主な仕事でした。あがの市民病院での外来診療を通して、病院に来る人たちのほとんどは何かを求めて病院に足を運んでおり、私たちはその期待に可能な限り応える事が求められているのだと思いました。それが治療なのか、検査なのか、診察なのか、お話を聞く事なのか、患者さん一人一人から得られる情報を汲み取る大切さも勉強させていただきました。
 また介護医療院や五頭の里を見学し、介助が必要なお年寄りの皆様の生活が、多くの医療従事者の努力と工夫で成り立っている事を感じることが出来ました。モクモク勉強会で「アンチエイジング」をテーマに発表をさせていただきましたが、平均寿命と健康寿命の乖離から1人では生活が成り立たない、かと言って周囲に頼る事が出来る人がいないお年寄りは全国的に増加の一途を辿っています。こうした問題を抱えているこれからの日本の医療を担っていく私たち世代が、真摯に向き合い続けていくテーマとして、またあがの市民病院と介護医療院、五頭の里を一つのロールモデルとして学ぶところは大きかったと感じています。
 コロナ禍ではありますが、最大限の配慮の中、新潟県を堪能することもできました。新米の季節であったことも幸いし、新潟の味覚を数多く知る事が出来たこと、多くの観光名所にも足を運べた事、一緒に楽しんでくれる同期がいてくれた事も、この研修を語る上での大きな魅力の一つとなりました。こうした新潟県の魅力が、地元の人たちの地元愛あってのものだと強く感じました。この土地を愛する皆さんが末長く健やかでいられるよう、あがの市民病院の益々のご発展をお祈り申し上げます。そして私自身もこの地で得た多くの学びを胸に、これからも患者に寄り添える医師を目指して邁進していきたいと思います。本当に貴重な研修期間を頂けたこと、重ねて感謝申し上げます。

自治医科大学附属病院 臨床研修医 石塚優理(研修期間R4.9.5~R4.11.6)

自治医科大学附属病院 臨床研修医 石塚優理(研修期間R4.9.5~R4.11.6)

 2か月間の研修を行う貴重な機会を与えてくださり、本当にありがとうございました。初期研修1年目の秋、どこで地域研修しようか迷っていたところ、説明会で藤森院長からの熱いプレゼンテーションを聴いて「あがの市民病院で研修したい!」と決意したのを覚えています。実際に希望が通り、研修を心待ちにしていました。
 オリエンテーションのあと、初めての外来診療が始まりました。外来では、健診異常をはじめ、高齢者でよくみられる肺炎、尿路感染症から、急性膵炎など緊急性の高い疾患まで様々な疾患を抱えた人がやってきます。自分で問診と診察してから採血の必要な項目や画像検査をオーダーし、治療方針を考え、患者にお話しして再診、また経過を見ていく流れを2か月間ひたすらこなしていきました。大学病院でのチーム医療と違って、自分が主治医となり治癒するまで経過を追いかけていくのは、重い責任を感じながらも、やりがいがあり楽しく仕事をすることができました。阿賀野市で暮らす人たちは農業に従事している方が多く、稲刈りの時期はなかなか再診に来るのが難しいなど、地域の特性も垣間見えました。
 毎日外来をしている中で、時には入院させなければならない患者もいます。入院患者も自分が主治医となり、治療方針を決めます。ご家族へICすることも初めての経験でとても緊張しました。どう伝えたら患者本人やご家族に納得してもらえるか、毎日試行錯誤の連続でした。BSCや、予後が短い患者に対して厳しいICをすることもいい経験となりました。また、入院患者は後期高齢者が多く、原因疾患が軽快しても退院後どこに帰るか(自宅か介護施設か)調整が必要で、入院期間が長引くことも知りました。病棟の看護師さんやケアマネさんに介入していただき、退院調整することができました。
 毎週の内科症例検討会も、いい刺激となりました。自分が担当した患者の対応が正しかったのか、診断は間違ってなかったか、鑑別として他に挙げられる疾患はなかったのか、など振り返ることができました。
 同期にも恵まれ、お互いに助け合いながら外来と病棟の仕事を頑張ることができました。苦楽を共にした、かけがえのない友人ができました。平日は仕事を頑張り、週末は同期で新潟観光を楽しむ、メリハリのある生活を送れました。また、藤森院長をはじめ諸先生方やメデイカルスタッフの方々には大変お世話になりました。とくに外来診療では、カルテの使い方から新潟県のおすすめグルメまで、何から何まで教えていただきました。いつも明るく振る舞い、わたしたち研修医を励ましてくださいました。明るい職場が心の支えとなり、毎日の仕事がとても楽しかったです。あっという間に2か月が経過しました。また大学病院での研修は続きますが、この地域研修で学んだことを生かした診療をしていきたいと思いました。2か月間本当にお世話になりました。ありがとうございました。

新潟市民病院 臨床研修医 花野薫(研修期間R4.9.4~R4.10.29)

 2ヶ月間のあがの市民病院での地域医療・外来診療の研修を終えました。とても充実し有意義な研修で、あっという間な時間でありました。たくさんのことを学ばさせていただき、感謝申し上げます。
 普段研修させていただいています新潟市民病院では、急性期病院ということもあり、急性期を過ぎたら転院してしまう患者も多く、あまり自宅退院まで見届ける機会が多くはありません。また、年齢層も比較的若い方が多いと思われます。実際あがの市民病院で診療していますと、超高齢化社会を強く実感しました。自分で主治医として入院患者様を受け持ちますと、ほとんどの方が90歳前後であり、高齢者独居・キーパーソンの不在・老々介護など様々な社会的背景がありました。さらに、原疾患や付随する病態に対する治療入院によるADL低下により、もとの生活に戻れなくなるなど退院が困難となることも多く、患者様本人の病状だけでなく、ご家族、社会的背景・経済的な事情など様々なことに目を向けて診療しなければならないと改めて感じました。実際に訪問診療に同行させていただいたり、患者様の訪問看護を申請したりと、患者様の退院後の環境を整えるために、多職種で連携していく「地域包括ケア」が本当に重要であると感じました。
 一般外来では、緊急疾患・common disease・生活習慣病などの慢性疾患・健診異常など幅広く経験させていただきました。治療適応・投薬内容とその評価・フォローアップの仕方など、知識が疎かであったと実感しましたが、先生・外来スタッフから丁寧にご指導いただき、正しく学ぶことができました。健診異常に対して、丁寧にフォローし、一次予防・二次予防を行っていくことは、高齢社会の医療費という面においてもとても重要なものであると思いました。
 どうしても急性期病院で研修しておりますとそれぞれの科を別個に研修しており、その科の臓器別で考えてしまうことが多かったですが、あがの市民病院での研修を通して、全身を診る医療を学ぶことができました。特に高齢者は多くの併存疾患を持っていることが多く、この考え方はこれからも大事となると思います。
 学生のころより将来的には地域医療に従事したいと思っていましたので、研鑽を積み、ひと回りもふた回りも成長して地域医療の場に貢献できればと思います。この2ヶ月の研修は私の糧となるものでした。今後も今回学習した事を生かしていきたいと思います。
 最後になりますが、わからないことだらけの私に温かくご指導いただいた指導医の先生方、外来・病棟のスタッフの皆様、ありがとうございました。また、一緒に研修し助け合い、刺激をくれた研修医同期のみんな、ありがとうございました。皆様のおかげで楽しく一生懸命に研修を積むことができました。2ヶ月間ありがとうございました。

関東労災病院 臨床研修医 山田皓太(研修期間R4.9.5~R4.10.2)

関東労災病院 臨床研修医 山田皓太(研修期間R4.9.5~R4.10.2)

 この度は4週間にわたる研修を行う貴重な機会を与えていただき、誠にありがとうございました。稲穂が頭を垂れ一面が黄金色に染まる9月初旬に阿賀野の地を訪れ、稲刈りが終わり、冬の足音が聞こえて来ようとする季節に研修をすることができ、自分の見地を広げることができました。
 自身の外来枠を持ち、入院患者を受け持ち、主治医としての自覚、責任、そして自身の無力さを痛感する1ヶ月となりました。外来患者を担当する機会は今回が初めてでしたが、検診異常や近医からの紹介、外来や訪問診療からそのまま入院になる症例など幅広い症例を経験することができました。入院患者と違い、毎日の経過を外来患者では追う事ができない為、薬剤の効果や病状の経過を予想して的確な時期に次回の予約を取る必要があります。また同時に多くの予約患者に対応する事が求められ、外来の難しさにも直面しましたが、患者が笑顔を取り戻していく姿を主治医として見る喜びは他には変える事ができず、わずかばかりの自信に繋げることもできました。
 地域の特性上、患者の平均年齢が高く、稲作が中心産業であり、限られた医療資源で診療に携わることで、都会では実感することのない老老介護や医師不足、一次産業の過酷さ、超高齢化社会といった社会問題に目を向けることができました。また、あがの市民病院は地域の中核病院として、急性期から回復期・慢性期までを担当し、時に三次病院への橋渡しの役割を行っており、医療の仕組みを学ぶことができました。医師、病院スタッフ、患者本人とその家族やケアマネージャーといったチーム医療の重要性も再確認することができ、情報共有や説明の重大さを体感することができました。
 1ヶ月と言う限られた期間であり、この場所にまだいたいと去るのが名残惜しく思えたのは、この阿賀野の地での研修が大変充実していた事を物語っていると思います。実るほど頭を垂れる稲穂の如くこれからも多くの物を吸収し、阿賀野で学んだ初心の気持ちを忘れることなく、今後も医療に邁進していきたいと思います。最後になりますが、指導をしてくださった先生、看護師さん、サポートをしてくださったスタッフ、1ヶ月お世話になった全ての皆様に感謝申し上げます。また今後とも御指導御鞭撻の程、よろしくお願いいたします。

関東労災病院 臨床研修医 利光秋華(研修期間R4.8.8~R4.9.4)

関東労災病院 臨床研修医 利光秋華(研修期間R4.8.8~R4.9.4)

 COVID-19が大流行している中、1か月間の地域研修を受け入れてくださり、ありがとうございました。
 今回の研修では内科の一員として新患外来と発熱外来を担当させていただきました。普段勤務している病院では主治医ではなく担当医として診療に携わるため自分で意思決定を行う機会がそこまで多くはないのですが、こちらでは主治医として患者さんを担当させていただき、もちろん指導医と相談しながらではありますが自分で治療方針を考えたり病状について説明したりする機会に恵まれました。実際にやってみるとすごく難しく、また責任の重大さを実感しましたが、どうやって病気を治すかだけでなく患者さんが今後より充実した生活を送っていくためにどうしたらよいかという広い視野を持って診療していかなければならないという気づきを得ることができ、大変貴重な経験となりました。
 また、新潟は面積が広く、医療機関や介護施設間の距離が離れており行き来が大変なため、なるべく地元の地域で完結できる環境をつくることが大切だと感じました。阿賀野市で唯一の総合病院であるあがの市民病院は急性期から慢性期・リハビリ・介護に至るまで非常に広い範囲の医療サービスを提供されており、この地域においてとても大きな役割を担っていることを実感しました。
 至らない点も多々ありましたが、お忙しい中優しく丁寧にご指導いただきました先生方、慣れない環境の中さまざまな場面で助けてくださったコメディカルの方々、そして未熟な私の診療に応じてくださりときに温かい言葉をかけてくださった患者の皆様、本当にありがとうございました。

新潟市民病院 臨床研修医 堀洲晟(研修期間R4.7.3~R4.9.3)

新潟市民病院 臨床研修医 堀洲晟(研修期間R4.7.3~R4.9.3)

 まず初めに,この場をお借りして,ご指導いただいた先生方,病棟・外来の看護師の方,その他のコメディカルスタッフの方々に深く感謝申し上げます.皆様のおかげであがの市民病院における2ヶ月間の地域医療研修を充実したものにすることができました.
 あがの市民病院では,主に内科一般外来と,入院患者の主治医を担当させていただきました.今までの研修では,指導医の先生の元,すでに診断や治療法が決まった患者様を診ることが多く,主治医としての経験はほぼありませんでした.あがの市民病院に来て,診断を決めるところから関わり,患者様・ご家族にICを行い,自身の判断で治療法を決めていくという経験ができ,新鮮な気持ちで診療することができました.患者様一人ひとりの主訴に対し,どのような疾患を鑑別に挙げ、どのような検査をするべきか,最初は分からないことが多かったのですが,指導医の先生方のフィードバックや看護師の方々の手助けもあり徐々に外来や病棟の業務を上手く回せるようになりました.
 経験症例に関しては,肺炎や尿路感染などのcommon diseaseだけでなく,腸閉塞や閉塞性黄疸などの疾患も診ることができ,想像以上に幅広い疾患を経験することができました.白紙の状態から自身で治療法を調べ実践し,その治療法が著効して患者様の症状が改善したとき,大きな喜びとやりがいを感じました.
 入院患者はご高齢の方が多く,入院をきっかけにADLや認知機能が低下し,自宅退院が困難になったり,元の施設に戻れなくなったりするケースを経験しました.多職種連携の重要性が叫ばれるようになって久しいですが,看護師,理学療法士,作業療法士,薬剤師,MSWの方々,本当に多くのコメディカルスタッフのご協力があって初めて,退院までの道筋を作ることができるのだと実感いたしました.
 一般外来以外に,発熱外来も担当させていただきました.ちょうど研修が始まった頃にCovid-19の第7波が訪れたため,日々多くの発熱患者が来院しました.電話診察,保健所への連絡等の業務を行い,今の時世を反映した医療を経験することができました.Covid-19の感染拡大を実感するとともに,医療逼迫の現状を肌で感じました.抗原検査陰性の発熱患者の中には,上気道炎以外の疾患も隠れており,診察および検査の必要性を電話問診で判断する難しさを実感しました.
 あがの市民病院での地域医療研修は私の医師人生の中で非常に貴重なものになりました.中には治療や診断に難渋する症例もあり,自身の力量不足を実感しました.この2ヶ月で得た知識を忘れずに,今後に活かしていきたいと思います.3年目以降も新潟で働く予定ですので,また一緒に働く機会がございましたら,何卒よろしくお願いいたします.

新潟大学医歯学総合病院 臨床研修医 渡邊拓実(研修期間R4.7.4~R4.8.28)

新潟大学医歯学総合病院 臨床研修医 渡邊拓実(研修期間R4.7.4~R4.8.28)

 まず初めに、新型コロナウイルス感染症第7波の最中、我々の研修を受け入れていただき、また最後まで行わせていただいたことに感謝申し上げます。ありがとうございました。
 2022年7月から2ヶ月間、内科研修医として、内科新患外来と病棟業務を中心に、多くの患者様を診察、治療させていただきました。普段の大学病院での研修とは、業務内容が異なることが多く、最初は戸惑いもありました。しかし、非常に多くの学びを得ることができました。
 1つ目は、病院機能が限られている中で診療する難しさです。私の研修元である大学病院のように全ての科が揃い、夜間も緊急対応可能な体制が組まれている病院(高次・三次医療機関)もある一方で、今回研修した地域中核病院では、診療科や夜間診療体制が限られています。しかし、患者様は自分の重症度や緊急度を判断して来院することはできません。診察や検査を進める中で、緊急対応の必要な状態であることが判明し始めた際、自院でできることなのか、転院の手配を始めるべきなのか、転院するのであればどこに依頼し、自院でどこまですべきなのか、そして本当に緊急の対応が必要なのかなど、短い時間で考えるべきことが多く、決断に苦労しました。そして、紹介受診や転院搬送を快諾してくださる先生方の優しさに大変救われました。普段、大学病院で研修していると紹介や転院依頼を受ける側のお話を聞くことが多いのですが、今回は依頼する側としての経験が、非常に貴重であったと感じております。
 2つ目は主治医として1つ1つの決断をしていくことの責任の重さです。指導医の先生方にサポートしていただきながら、主治医として入院患者様の診療を行わせていただきました。命を扱う病院という職場において、自分で調べて決断するという行為がどれほど重大なことであるかを日々実感しました。一つでも選択を間違えば患者様の将来が変わるかもしれないと考え、これほど真剣に文献を調べたのは研修医になってから初めてでした。また、本人やご家族への病状説明でも、言葉の使い方や伝える順番など試行錯誤の日々でした。上手く伝わらず、指導医の先生方に助けていただくことも多かったです。研修修了が近づいてはいますが、まだまだ学ぶべきことがありすぎると焦りを感じる2ヶ月間でした。
 最後に、院長、指導医の先生方、看護師の方々をはじめとするコメディカルのみなさまに重ねて感謝申し上げます。「分かりません!」「出来ません!」と声をあげると必ず誰かが助けてくれる優しいあがの市民病院が大好きでした。将来、良き医療人となることで少しでも恩返しできればと考えております。本当にありがとうございました。

新潟大学医歯学総合病院 臨床研修医 石塚啓哉(研修期間R4.7.4~R4.8.28)

新潟大学医歯学総合病院 臨床研修医 石塚啓哉(研修期間R4.7.4~R4.8.28)

 7月4日から2か月間、あがの市民病院で研修をさせて頂きました。研修内容としては、新患外来、発熱外来、病棟業務でしたが、どの仕事も今まで経験したことの無いようなことばかりで非常に新鮮でした。
 というのも、それまでの研修は、指導医の先生に研修医が付いて、指導して頂くという形式でしたが、初めて自分一人の力で患者さんを診るという経験をさせて頂いたからです。指導して頂くのも知識という意味では非常に勉強になりますが、やはり実際に自分が主治医として方針決定していく過程でしか学べない実臨床の微妙なさじ加減があるのだと思います。もちろん方針等に関して判断に苦慮する場面が多々ありましたが、その際は先生方に相談し、助言をいただきました。
 新患外来は、発熱、腹痛、呼吸苦、食欲不振など、外来でよく出会う症候に対して、各種検査で鑑別、診断、治療までの1つのプロセスを形成し、診療に当たりました。当直業務に関しましても、同様にかかりつけの方を中心に研修医の判断で診療させて頂く機会も多く、今後の救急対応に関して、一定の経験と自信を得ることができました。
 発熱外来は、阿賀野市の新型コロナウイルスの感染拡大があり、非常に多忙な期間となりました。自分一人だけではどうにもならない量の業務を、他の研修医、また看護師さんたちと分担してやり抜いた今回の研修は、チーム医療を考える上で重要なものだったと思います。実臨床の上で、逼迫する医療の現状とその最前線を、肌で感じることができ、貴重な経験となりました。
 病棟業務は、自分が外来で診察した患者さんで、入院が必要だった方の全身管理をさせて頂きました。入院した際は体調が悪かった患者さんが、治療の結果元気になって、退院していくのを見るのは、医師としての根源的なやりがいを感じることができました。
 何分外来が忙しい日が多く、朝回診の後、夕方まで病棟の患者さんを見れないということが何度もありました。病棟の看護師さん方には何度もご迷惑をおかけしましたが、優しく対応して頂きました。
 2か月という短い間ではありましたが、藤森院長先生を始めとした指導医の先生方、外来・病棟の看護師さん、薬剤師・検査技師さん、リハビリスタッフ、今成さん、そのほかあがの市民病院を構成するスタッフの方々に心からの感謝を申し上げます。本当にありがとうございました。2か月間で得た経験を頼りに、さらにこれからの臨床研修を充実したものとできるよう、邁進して参ります。

関東労災病院 臨床研修医 井下太朗(研修期間R4.6.6~R4.7.3)

関東労災病院 臨床研修医 井下太朗(研修期間R4.6.6~R4.7.3)

 まず初めに、地域医療研修医として1ヶ月間私を受け入れ、お世話になった指導医の先生方、コメディカルスタッフ、事務の方々に心よりお礼申し上げます。慣れない地での研修で、色々とご迷惑をおかけしたこともあったかと思いますが、皆様のご協力のおかげで無事研修を終了することができました。診療のみに限らず、新潟での生活についても大変お世話になり、有意義な日々を過ごすことができました。
 あがの市民病院での研修業務は主に外来診療と外来から入院となった患者の病棟診療を行いました。外来診療では健診異常や様々な訴えの患者さんへの対応をさせていただきました。普段一般外来診療を行う機会がなく、初めのうちはわからないことばかりで大変苦労しました。救急外来での診療と異なり、患者さんの中長期的なフォローの計画や生活指導を行う経験はとても貴重なものでした。健診異常による受診は普段経験することがなく、検査計画や治療プランについて、患者さん自身の事情や疾患への捉え方を伺いながら相談して計画を立てていくという経験ができました。また、一般外来診療とは別に、あがの市民病院では発熱外来での診療も行いました。新型コロナウイルスの感染者は減少の兆しを見せていますが、まだまだ感染者は多く油断できない状況だということを身に染みて感じました。新型コロナウイルス感染症以外の発熱による受診も多く、中には重症の患者さんもいらっしゃいました。流行期の感染症に判断を流されることなく、丁寧に診療していくことの大切さを実感しました。
 病棟診療では主治医として入院患者さんの診療を行いました。研修元の病棟診療では指導医の先生が主治医となり、研修医はそのサポートをするという形を取っていましたので、主治医として責任をもって診療にあたることの重要性を感じることができました。外来を行いながらの診療は、同時並行で対応しなければならない場面も多く大変でしたが、とても勉強になりました。
 指導医の先生方は外来、病棟診療いずれも気軽に相談することができ、フィードバックを頂きながら診療することができました。カルテ運用や病院特有のルールなど、指導医の先生やコメディカルの方々に助けていただきながら業務にあたることができました。
 地域医療研修では「地域医療の理念を理解し実践する」という目標が定められています。あがの市民病院での研修はその地域に暮らす方々と深くかかわることができ、地域における医療の果たす役割を学ぶことができました。この経験は今後の医師としての人生において大きな糧になると思います。

新潟市民病院 臨床研修医 森下健(研修期間R4.5.8~R4.7.2)

新潟市民病院 臨床研修医 森下健(研修期間R4.5.8~R4.7.2)

 初めにご多忙の中、またこのCOVID-19流行下で混乱の残る中でご指導していただいた先生方、病棟や外来の業務で関わらせていただいた看護師の方々をはじめとする全ての病院職員の方々に感謝申し上げます。
 2022年5月から2ヵ月の間、地域研修としてあがの市民病院で研修させていただき、主に内科外来と病棟主治医を担当させていただきました。
 内科外来に関しては、様々な主訴で来院される患者さんの初診を担当しました。今までは救急外来での診療の経験はありましたが、一般外来での診療の経験はなく、健診異常や他院からの紹介など様々な主訴の方を診察しなければいけないことに少し戸惑いもありました。そして実際に問診から診察、検査、治療方針の決定までの一連の診療を、主治医となって決めるという経験も初めてのことであり、非常に悩む状況・症例も多々ありました。そのような中でも、様々な文献や資料などを調べ、患者さんに最適な治療は何かと考える時間は机上での医学書の勉強に比較できないほど、貴重なものであり非常に良い経験となりました。
 また、外来研修の一環として発熱外来での診療を担当させていただきました。COVID-19流行下でしたので、まず抗原検査を行い、電話問診し、その後実際に診察するという流れとなっておりました。抗原が陰性であってもCOVID-19が否定できない患者さんやCOVID-19の可能性が低いと考えた患者さんが陽性であった場合など現在のCOVID-19流行下での発熱患者の診療の難しさを痛感しました。
 病棟では自分が外来で診察した患者さんの主治医となり入院治療を行いました。外来と同様に、入院中の内服薬の継続の有無、輸液の量、抗菌薬の選択、治療期間、家族へのインフォームドコンセントなどの治療方針からリハビリ、退院先や退院後の生活など患者さんの生活に関わることまで主治医として決定しなければならない難しさを感じましたが、指導医の先生方、病棟看護師の方々をはじめとするコメディカルの方々の助けを得ながら診療を進め、実際に患者さんの体調が回復し自宅退院することができた時には何事にも変えられない喜びを感じることができました。このことは自分自身の医師人生にとっても非常に大きな1歩であったと思われます。
 外来診療・病棟診療ともに主治医として治療方針を決定していくことは大きな経験となりましたが、自分の一つの決定が患者さんの人生を決めてしまうかもしれないという非常に大きな責任を負っていることを痛感させられました。これからの医師人生においてこの責任を忘れずに、それぞれの患者さんに最適な治療を行えるように日々勉強しなければならないと再確認できた研修でもありました。
 最後に今回の研修で右も左もわからない自分を指導していただいた先生方、看護師の方々、そのほかのコメディカルの方々に再度感謝申し上げます。誠にありがとうございました。今後も新潟県で働くことを予定しておりますので、あがの市民病院で働く機会に恵まれましたら何卒よろしくお願いいたします。

自治医科大学附属病院 臨床研修医(研修期間R4.4.11~R4.6.12)

「田植えが終わるまで母を入院させてください」
「熱が出たのでコロナじゃないかと心配で」
外来での会話は、その地域や世相を映す「鏡」のようなものだと感じることがあります。
この2ヶ月間、あがの市民病院での研修を通して、日本屈指の米どころである新潟と、コロナ禍中の医療現場について、理解を深めることができました。
研修初日から、使い慣れないカルテや紙ベースでのオーダーに悪戦苦闘しながら、内科初診外来と発熱外来を同時並行で行う日々が始まりました。発熱外来で抗原検査結果が出るのを待っている間に、内科初診外来で他の患者さんを診察し、その合間に指導医の先生方にご相談し、病棟の患者さんの検査結果を確認し、…等々、毎日めまぐるしく時間が過ぎていきました。夕方に昼ごはんを食べることも多く、コロナ禍で一層業務が増えていることを実感しました。
あがの市民病院の研修で最も心に残っていることは、初めて主治医になったことです。自治医科大学附属病院では基本的にチーム主治医制が採用されており、主治医は上級医の先生で、研修医はチームの一員として診療に参加していました。ここでの研修で、初めて主治医として癌の告知や急変時対応の確認を行い、夜間・休日を問わず病棟からの電話に対応し、時には急変した担当患者さんのお看取りやお見送りをしました。上級医の先生にご相談することも可能な環境ではありましたが、基本的には一人で行うため、内心不安でいっぱいでした。しかし、患者さんやそのご家族もつられて不安にさせてしまわないように、できる限り穏やかな話し方を心掛けていました。自治医大に戻ると、またしばらくは主治医ではなく担当医の一人として患者さんと接することになりますが、ここで学んだことを忘れずに、話していて安心感を与えられるような医師になれるよう精進していきたいと思います。
休日は病院近くの瓢湖から、少し足を延ばして佐渡や村上まで、色々な場所へ観光に出かけました。阿賀野に来たばかりの頃は、桜がまだ残る春耕の時期でしたが、いつの間にか代掻きや田植えを経て、菖蒲が咲く季節となりました。田んぼがこれほど一面に広がる風景を見る機会は今までなかったので、見るたびに表情を変える田んぼの美しさに心を奪われたとともに、普段から美味しく食べていたお米を、より一層ありがたみを感じながら食べられるようになりました。
こうして地域研修を振り返ると、地域と医療の両方を、患者さんを含めたくさんの方々から教えていただいた大変貴重な時間だったと改めて実感しています。
最後に、お忙しい中たくさんご指導くださった先生方、多方面でサポートいただいた看護師さんやスタッフ・事務の方々、ともに励まし合いながら研修した他の研修医の先生方、出会ってくださった全ての患者さんとご家族の方々に心より感謝申し上げます。
ありがとうございました。


病院のご案内

あがの市民病院

〒959-2093
新潟県阿賀野市岡山町13番23号
Tel:0250-62-2780(代表)
Fax:0250-62-1598

電話予約受付時間:月曜日~金曜日
午後2時30分~午後4時30分まで

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