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関東労災病院 臨床研修医 香月俊吾(研修期間R5.9.4~R5.10.1)
生まれは東京で、大学は横浜であり、地方都市とは無縁な生活を送ってきた私にとって、地域医療研修が新潟であると聞いたときから楽しみにしていた1ヶ月。東京駅から新幹線で2時間、新潟駅に着いた。ここが新潟か。初めて足を踏み入れる地に心躍った。病院へは駅からタクシーで来るように言われていた。タクシーに乗り込むとすぐに田園風景が目に飛び込んできた。一面金色の世界の中にただタクシーだけが走っていた。純白な外観で存在感のある建物が突如現れた。タクシーはおもむろにスピードを落とした。ここがあがの市民病院か。ここで1ヶ月間研修するのかと身が引き締まった。ふと周りを見渡すとコンビニというものはなく、あるのは病院目の前のアオキというドラッグストアのみ。絶望した。Googleマップで検索しても定食屋もない。普段は外食もしくはUber Eatsしかしていない私にとって死活問題だった。歩いて15分、原信というスーパーに行ってみることにした。折角の機会だ、自炊を始めてみようか。もやしを炒めるところからスタートしたが、次第に料理すること自体の楽しさを覚え、いつしか毎日自炊をしている自分がいた。原信に行き食材を手に入れ家に帰り作り食べる。それが平日の仕事終わりのルーティンとなった。休日は市内などに出掛け、日本酒を飲み美味しい寿司を食べて新潟を満喫した。へぎ蕎麦、タレかつ丼など新潟名物も堪能した。近くのヤスダヨーグルトYY garden や月岡温泉にも行き、全身で新潟を吸い込んだ。
仕事は、発熱外来か内科外来を担当した。発熱外来の非接触の診察方法は画期的かつ効率的であった。内科外来は、再診予約を入れることで、患者の経過をみることができた。自分の判断や処方の答え合わせとなり、大変勉強になった。何より患者の「良くなりました」という言葉や笑顔は仕事への情熱に火をつけた。また当院では診ることのできない患者を転院搬送することもあり、紹介状の作成や他院との電話でのやりとりなど、多くを学んだ。当直は救急車の応需を判断するという、初めての経験をした。救急隊からの話をよく聞き、トリアージを的確にする必要があった。あがの市民病院の先生はどの先生も優しく丁寧に指導して頂いた。また事務の方も不慣れな地で困惑している私に手を差し伸べて頂いた。この場を借りて厚く御礼申し上げたい。
新潟という大地、また地域医療の現状について身をもって知ることができた1ヶ月間となった。院長をはじめとして、私に関わってくれた全ての方々に深く感謝すると共に、学んだことをこれからの医師人生に活かしていく決意を胸に、この文章を書き終えることとする。
新潟大学医歯学総合病院 臨床研修医 井原 嶺(研修期間R5.7.31~R5.9.24)
「めっちゃ忙しくて大変、、、」これが私の研修1日目に思ったことです。研修初日から外来業務を行い、新規入院患者さんも1人いました。大学とは異なるカルテシステム、初めての外来業務や入院指示、右も左も分からない状況で1日目を乗り切り、へとへとになりながら帰路についたのを今でも覚えています。研修当初は、「あがの市民病院での研修を選択したのは間違いだったかな」と後悔していた私ですが、2か月の研修を終えて思うことは、「まだ研修していたい」です。それは、非常に多くの学びを得ることができ、有意義な2か月だったからだと実感しています。
あがの市民病院での研修医としての業務内容ですが、大きく分けて内科一般外来と入院業務の2つを担当させていただきました。まず、内科一般外来についてですが、発熱や呼吸苦、腹痛など救急外来でよく診る症状はもちろんのこと、これまであまり経験しなかった高血圧や脂質異常症、高血糖などの生活習慣病や健診異常など、多種多様な患者さんに対応しました。実際に問診から診察、検査、治療方針の決定までの一連の診察を行う上で、非常に悩む症例や状況も多々ありましたが、指導医の先生方のフィードバックや看護師の方々の手助けもあり、徐々に外来業務を上手く回せるようになりました。入院となった際には、研修医が主治医として入院管理を行うのですが、これまでの大学病院での研修では、すでに診断や治療法が決まった患者さんを診ることが多く、主治医としての経験はほぼありませんでした。入院中の治療方針、輸液や栄養管理、ご家族へのIC、退院支援まで主治医として決定しなければいけない難しさを感じましたが、様々な文献や資料を調べ対応した時間は、机上での勉強に比較にならないほど、学ぶことが多く貴重な経験となりました。
印象に残っている症例としては、walk inでいらした大動脈解離の方です。自覚症状としては胸背部不快感のみの方だったので、緊急性はなさそうな印象でしたが、造影CTで大動脈解離を診断できた時は、見逃さなくて本当に良かったなと安堵したのを今でも覚えています。その際、ご家族に方に言われた「先生のおかげで、命が助かりました」という言葉に、何事にも変えられない喜びを感じると同時に、医師として一つ一つの決断をしていくことの責任の重さを改めて実感しました。
あがの市民病院での地域医療研修は私の医師人生において非常に貴重なものになったと思います。この2か月で学んだこと、経験を頼りに、これからの臨床研修を充実したものとできるように精進して参ります。
最後になりましたが、分からないことだらけであった私に対して熱心にご指導してくださった指導医の先生方、優しく、温かく接してくださった看護師の方々、その他コメディカルの方々には深く感謝申し上げます。誠にありがとうございました。今後も新潟県で働くことを予定しておりますので、あがの市民病院で働く機会に恵まれましたら、その際はよろしくお願い致します。
新潟大学医歯学総合病院 臨床研修医 竹田 盛悟(研修期間R5.7.3~R5.9.24)
7月3日から約3か月間、あがの市民病院で研修をさせて頂きました。研修内容としては、新患外来、発熱外来、病棟業務でしたが、どの仕事も今まで経験したことの無いようなことばかりで非常に新鮮でした。
というのも、それまでの研修は、指導医の先生に研修医が付いて、指導して頂くという形式でしたが、初めて自分一人の力で患者さんを診るという経験をさせて頂いたからです。指導して頂くのも知識という意味では非常に勉強になりますが、やはり実際に自分が主治医として方針決定していく過程でしか学べない実臨床の微妙なさじ加減があるのだと思います。もちろん方針等に関して判断に苦慮する場面が多々ありましたが、その際は先生方に相談し、助言をいただきました。
新患外来は、発熱、腹痛、呼吸苦、食欲不振など、外来でよく出会う症候に対して、各種検査で鑑別、診断、治療までの1つのプロセスを形成し、診療に当たりました。当直業務に関しましても、同様にかかりつけの方を中心に研修医の判断で診療させて頂く機会も多く、今後の救急対応に関して、一定の経験と自信を得ることができました。
発熱外来は、阿賀野市の新型コロナウイルスの感染者が多く、多忙な時もありました。実臨床の上で、逼迫する医療の現状とその最前線を、肌で感じることができ、貴重な経験となりました。
病棟業務は、自分が外来で診察した患者さんで、入院が必要だった方の全身管理をさせて頂きました。入院した際は体調が悪かった患者さんが、治療の結果元気になって、退院していくのを見るのは、医師としての根源的なやりがいを感じることができました。
何分外来が忙しい日が多く、朝回診の後、夕方まで病棟の患者さんを見れないということが何度もありました。病棟の看護師さん方には何度もご迷惑をおかけしましたが、優しく対応して頂きました。
藤森院長を始めとした指導医の先生方、外来・病棟の看護師さん、薬剤師・検査技師さん、リハビリスタッフ、今成さん、その他あがの市民病院を構成するスタッフの方々に心からの感謝を申し上げます。本当にありがとうございました。3か月間で得た経験を頼りに、さらにこれからの臨床研修を充実したものとできるよう、邁進して参ります。
新潟市民病院 臨床研修医 安藤克海(研修期間R5.7.2~R5.9.2)
この度、あがの市民病院で地域医療研修を2か月間経験させていただきました。ご指導いただいた先生方、看護師の方々、その他コメディカルのスタッフの方々のご協力があり、2か月間の研修を実りあるものにできたと感じております。深く感謝申し上げます。
私が研修している病院では、外来経験は救急外来がほとんどであり、一般外来の経験はほとんどありません。また、3次医療のため、中等症~重症が大多数を占めています。また、入院させても担当科に診て頂くので、入院から退院までという経験もあまりありませんでした。今回の地域医療研修では、患者さん1人1人を最初から最後まで自身で診て・考えて治療を行っていくという経験ができました。主治医としての責任感、医師としてのふるまい方、医学的知識の不足等、未熟さが浮き彫りになりました。外来においては医療的な面以外にも、患者さんやご家族の希望、社会的背景などを考慮し、入院や治療を考えていくことが難しかったです。指導医の先生方のご指導や、みなさまのご協力のおかげで少しずつ成長していくことができたと思います。
また当直も何回か経験させていただきました。ウォークインで来られる方、救急車で来られる方など様々な患者さんがいました。救急要請の電話対応経験もなかったので、初めは右も左もわからない状況でした。経験していると、かかりつけ病院の病床がないなどの理由のため、受け入れ困難となり、たらいまわしにされている患者さんが意外と多いことに気づかされます。当院かかりつけの患者さんは受け入れるため、他院かかりつけの患者さんを受け入れているとなかなか厳しいのではないかと感じました。また、採血データや画像を比較できないというデメリットも生じます。まず、かかりつけ医での診察で、以前のデータと比較してから入院の可否を決める必要があるのではないでしょうか。地域に根差した医療を提供するためには、各病院の協力も必要だと感じました。
最後に、院長先生、指導医の先生方、看護師の方々をはじめとするコメディカルの皆様に重ねて感謝申し上げます。わからないことが多く、何度もご迷惑をおかけしましたが、その度に優しく丁寧に教えて頂き、本当に心強かったです。ありがとうございました。あがの市民病院での研修を糧に、今後の研修にも励んでいきたいと思います。
関東労災病院 臨床研修医 大久保柊(研修期間R5.7.10~R5.8.6)
あがの市民病院で地域医療研修を1ヶ月間経験させていただきました。新しく学習できたことや、印象に残ったことを、ここに記録いたします。
自施設の研修で外来をするのは救急外来にほぼ限られており、目の前の患者さんの緊急性を評価することは多くあっても、緊急性には乏しいですが重要な、生活習慣病の診療経験は全くありませんでした。あがの市民病院の外来研修では、むしろそういった慢性疾患を診療することが多く、外来を続けて何度も来てもらい経過を診る、というプロセスが新鮮でした。初めてで分からないことが多く、上級医の先生方にはご迷惑をおかけしてしまったこともあるかとは思いますが、丁寧にご指導いただきました。おかげさまで、外来診療の形を自分なりに少しずつ理解していくことができました。
次に、外来で診た患者さんを、必要時入院してもらい、継続して自分で診ていく研修も印象的な経験でした。なぜなら、普段の救急外来で入院させた患者さんは、入院してからの診療を各専門医にお任せすることが多いためです。逆に入院で受け持った患者さんは、初療時点では自身が全く関わっていないことがほとんどでした。あがの市民病院では、本当の意味で入院から退院までを自身で受け持つことになるため、良い意味で緊張感を持って日々の診療に取り組むことができました。こちらも外来と同様、常に上級医にバックアップしていただけるため、分からないことがあればいつでも質問させてもらえる環境が整っていました。自身で主体的に診療を行うからこそ、理解不足だった部分が浮き彫りになり、それを勉強し補う、という好循環がありました。
医師だけではなく、看護師さんを始めとするコメディカルスタッフや、事務の方々も優しく接してくださりました。慣れない土地の初めての施設で、右も左も分からない中で、暖かいコミュニケーションを取っていただいたことは、研修の大きな支えとなりました。お勧めの観光地を教えていただき、休日にはそちらで新潟の風土を楽しむこともできたのは、良い思い出です。
最後になりますが、本研修で関わりを持たせていただいた全ての医療職・事務職・患者様各位に厚くお礼を申し上げます。
ありがとうございました。
新潟大学医歯学総合病院 臨床研修医 田島義家(研修期間R5.4.3~R5.7.2)
この度は3ヶ月間にわたり、地域医療研修の機会を与えていただき誠にありがとうございました。私は新潟市の出身ではありましたが、阿賀野市に足を踏み入れたことはなく、今回の研修が初めての機会となりました。研修が始まったのは4月3日、薄桃色の桜が咲き誇っていた頃です。緊張の面持ちで出勤しましたが、藤森先生や今成さんをはじめとしたスタッフの皆様が温かく受け入れてくださり、少しずつ業務に慣れていくことができました。仕事終わりには瓢湖を訪れ、夕陽を眺めながら心地よい風と匂いを感じ、自然の美しさを満喫することができました。陽が沈むと、満開の桜並木が下から照らされ、それまでとは打って変わって、華やかな別世界の中にいるようでした。雪解けも終わっており既に白鳥の姿はありませんでしたが、この時期にこの場所に来られたことの幸せを感じました。
さて、研修医としての業務内容ですが、大きく分けて外来業務と入院業務の二つを担当させていただきました。まず外来については、「内科」という広い枠組みで受け入れた初診の患者を診察しました。高血圧や脂質異常症、高血糖などの生活習慣病から、発熱や腹痛、さらには意識障害など、多種多様な患者を診ることができました。中には進行胃癌や視床出血、敗血症、穿孔性虫垂炎などの重篤な疾患が隠れていることもありました。患者の主訴と病歴を傾聴し、全身の診察と必要な検査結果から、その患者及び家族にとっての問題点を提起し、適切な対応を行うことが求められました。経過観察で良いのか、外来フォローとするのか、入院するのか、あるいは高次医療機関へ転院搬送するのか。バックについてくださる指導医の先生と相談しながら、方針を決めることができました。入院となった際には、研修医が主治医として入院管理を行いました。入院中のICや退院支援に至るまで、全て自分で行うことができるというのは初めての経験になりました。外来診療の合間を縫っての入院業務になるため、忙しいと感じることもありましたが、今となっては充実した思い出の一つです。
3ヶ月の研修の終わりに、再び瓢湖を訪れました。その日は雲一つない快晴で、透き通るような青い空と、色鮮やかな緑色の草木が生い茂っていました。眩しい日差しと賑やかな観光客の声から夏の訪れを感じ、ここに来ることができてよかったと、改めて思いました。
最後に、分からないことだらけであった私に優しく、そして温かく接してくださった看護師・スタッフの皆様、熱心にご指導いただいた指導医の先生方に深く感謝を申し上げます。あがの市民病院の益々のご発展を祈念しております。
関東労災病院 臨床研修医 竹尾真(研修期間R5.6.5~R5.7.2)
地域医療研修の修了に伴い、この期間に学んだこと、新潟の阿賀野という土地で感じたことを以下に述べさせていただきます。
あがの市民病院では毎日初診外来を担当させていただきました。病歴や身体所見から鑑別疾患を挙げて検査を提出するという基本的な考え方は普段の救急診療と共通していましたが、健診異常や経過の長い慢性疾患の患者さんが多いこと、緊急性の判断や器質的異常の除外だけでなく自覚症状の改善がより重視されることなど、違いも多々ありました。急性期病院の救急外来では「このような症状が出たらまた受診してください」「本日は詳しい検査はできませんが緊急性はないので、一度かかりつけ医に相談してみてください」と伝えて患者さんを帰宅させることがしばしばありますが、「帰宅したその後」を知ることができたのは非常に得難い経験でした。救急外来や健診で指摘された異常が精査され、治療やフォローアップが軌道に乗るまでには医師・患者双方の大変な努力があるということを念頭に、今後の診療にあたりたいと思います。また、基本的に病棟診療のみに集中できる普段の内科研修と異なり、外来をこなしつつ病棟患者さんの主治医も担当するというのは苦心する部分が多かったですが、その分やりがいを感じることができました。外来・入院ともに診療科の垣根を越えて多岐に渡る病態・背景の患者さんを担当させていただき、その中で主体的に治療方針の決定に携わることができたのは、私にとって大きな糧となりました。
ここまで病院内で学んだことを挙げさせていただきましたが、ひとたび院外に出れば新潟の魅力的な土地柄に触れることができ、これも大変印象的でした。宿舎から程近くに位置する瓢湖には何度か足を運びました。人もまばらな湖畔で美しい水面を眺める時間は、自分にとって大切なものとそうではないものを朧気ながら気づかせてくれるように感じました。平日は外来と病棟を往復して一日が終わり、休日は新潟出身の研修同期に案内してもらって県内の自然や美味しいものを巡り、時々病棟コールに対応するという阿賀野での生活は非常に充実していました。都市部で生活するうちに必要不可欠だと思い込んでいたものは案外代替可能かもしれず、一方で、私はこの1か月間、阿賀野で土地と人の温かさに恵まれたということなのだと思います。
以上に述べましたように、1か月間という短い間に技術・知識の面でも精神面でも大変多くの学びがありました。あがの市民病院での経験を今後担当する患者さんに還元できるよう、精進して参ります。
最後に、熱心にご指導くださった指導医の先生方、外来・病棟でともに診療にあたってくださった看護師、療法士、栄養士、薬剤師、ソーシャルワーカーなどの皆様、日々細やかなご配慮をいただいた事務の皆様、その他お世話になりました全ての皆様に篤く御礼申し上げます。ありがとうございました。
新潟市民病院 臨床研修医 加藤晃帆(研修期間R5.5.7~R5.7.1)
今回地域医療研修としてあがの市民病院で研修させていただき、主に内科外来と発熱外来、病棟主治医を担当させていただきました。ご指導いただいた先生方、外来・病棟の看護師の方々、その他コメディカルスタッフの方々に深く感謝申し上げます。ともに研修を行った研修医の同期たちを含め、皆様のお力添えのおかげで2ヶ月間の研修を充実したものにすることができました。
外来診療に関しては、様々な主訴で来院される患者さんの初診を担当しました。救急外来での診療の経験はありましたが、一般外来での診療の経験はほとんどありませんでした。肺炎や尿路感染症といったいわゆるcommon diseaseから、敗血症性ショックや消化管穿孔などの緊急疾患、健診異常や他院からの紹介など想像していた以上に幅広い疾患を経験させていただきました。
そして実際に問診から診察、検査、治療方針の決定までの一連の過程を、主治医として決断することも初めての経験でした。医療的な視点だけでなく、社会的な視点も持ち、患者様のご希望も考慮した上で入院の可否を判断しなければいけないことに少し戸惑う場面もありました。また患者様やご家族と直接話し合って治療方針を決めていくにあたり、非常に悩む状況・症例も多数ありました。そのような中でも、指導医の先生方からのご指導や看護師の方々の手助けもあって徐々にその場に応じた最適解を提示できるようになり、日々成長を実感することができました。
また当地域における超高齢化を肌で実感いたしました。独居や老老介護で生活をされている方も決して珍しくなく、外来や訪問診療を通して超高齢化社会における医師の役割を認識しました。入院患者もご高齢の方が多く、入院をきっかけとして入院前までできていたことができなくなったり、元の施設に戻れなくなったりするケースを経験しました。病棟の看護師やケアマネージャーの方々に介入していただき、退院までの道筋を立てることができました。僅かながらも地域医療における医師としての役割を実践することができたかと思います。この経験を今後の医師人生の糧としていきたいです。
最後に、院長、指導医の先生方、看護師の方々をはじめとするスタッフの皆様に重ねて感謝申し上げます。普段は別々の病院で研修している同期たちと助け合いながら、切磋琢磨できたのも貴重な経験でした。この2ヶ月で得た知識を忘れずに,これからも日々の診療に全力で取り組んでいきたいと思います。
関東労災病院 臨床研修医 大﨑俊樹(研修期間R5.5.8~R5.6.4)
まずはじめに、今回4週間の地域医療研修の機会を与えてくださったことに御礼を申し上げます。お忙しい中でいつも快く指導してくださった先生方、病棟でも外来でもお世話になった看護師やコメディカルの皆様、今成さんをはじめとする事務の方々、そして共に研修を行った同期の2人のお陰で、非常に充実した研修を行うことができました。
思い返せば、右も左も初めて尽くし、あっという間の4週間だった。
初めて自分の外来を持ち、健診で軽い異常を指摘された方から経口摂取困難でお看取りが視野に入っている方まで幅広い患者を診察し、検査を進め、必要であれば入院させる。入院後は主治医として各科に相談しつつ治療の方針を決定し、さらにその先、すなわち退院後どうするかを本人や家族と相談しながら決めていく。施設に入るのかそれとも自宅に帰るのか。この全身状態で入れる施設は空いているのか。自宅に帰るとして家族はどれだけのサポートが可能なのか。在宅介護の準備は整っているのか――。より急性期を扱う関東労災病院で、しかも主治医ではなくいち担当医としてしか患者に関わってこなかった私は、「退院する」ということの困難さを今回の研修ではじめて実感した。
はじめて診療にあたる疾患もあり、治療がうまく結果に現れないことも、退院が決まった矢先に新たな問題が出現することもあった。外来患者の診断がまるでつかずに頭を抱えたこともあった。この4週間を振り返ってみれば、どこかしらで躓いた症例の方が多かったのではないかと思う。それでも指導医の先生に助言を頂き、スタッフの方々に支えられながら、なんとか診療を進めることで、得難い経験を積むことができた。
さて、医療以外にも目を向けると、今回の研修で私は初めて新潟を訪れることになった。仕事終わりに同期たちと温泉を巡ったり、休日を利用して佐渡を旅行したり、タレカツやラーメン、海鮮料理やヤスダヨーグルト(900mLを4本飲み干した)に舌鼓を打ったりしたことも、今回の研修の貴重な思い出だ。
あっという間でしたが、多くのことを学び、経験することのできた4週間でした。あがの市民病院で得た経験を活かし、今後も精進してまいります。
関東労災病院 臨床研修医 岸本叡人(研修期間R5.4.10~R5.5.7)
この度は1か月間にわたり、地域医療研修を行う機会を与えていただき誠にありがとうございました。高速道路で5時間あまりの運転の後、初めて訪れる土地に対して、期待で胸を膨らませながら初日を迎えたことを昨日のことのように覚えております。病院のスタッフの皆さまのおかげで、短期間ではありましたが大変濃密で学びの多い研修を行わせていただくことができました。
当院での研修において、とても心に残ったことは2点あります。
1つ目は医師として成長を実感できたことです。一人暮らしや高齢者のみの世帯で生活をされている方も決して珍しくなく、そのような環境における医師の働きの重要性も痛感させられました。担当患者の年齢層は高く、入院時の問題点も複数あり、一人ひとりの社会背景や今までの生活を聞き取りながら、検査、治療をすすめていくことの大変さや、在宅医療や施設退院へのスムーズな移行を行うことの困難さを知り、医師としての能力をより高めていかなければならない、と覚悟を新たにすることができました。
しかし、患者さんの治療をすすめていくにあたって自分の行った治療によって目に見えて回復していく様子をみることができたり、御家族との話し合いにおいて患者さんにとってより良い人生を送るためにどの方法がベストなのかを話し合ったりすることは、医師としてやりがいを感じ、とても良い経験でした。患者さんにとって、もっともよい方針は何なのかを深く、長く考えることができたこの1ヶ月は、これからの研修をより充実したものとするために不可欠なものになるだろうと確信しております。この気持ちを忘れず、よりよい医師となるために研鑽を積んで参りたいと思います。
2つ目は新潟県という土地の素晴らしさです。地平線まで田畑が広がり、また雪を冠った山並みの美しさは目を奪われるものがありました。また、新潟の味覚を数多く知る事が出来たこと、多くの観光名所にも足を運べた事、一緒に楽しんでくれる同期がいてくれた事も、この研修を語る上での大きな魅力の一つとなりました。こうした新潟県の魅力が、地元の人たちの地元愛あってのものだと強く感じ、その人々を支える地域医療の重要性を改めて噛み締めました。この土地を愛する皆さんが末長く健やかでいられるよう、あがの市民病院の益々のご発展をお祈り申し上げます。最後になりましたが、御指導下さいました藤森院長を始めとした先生方、外来・病棟でお世話になりました看護師、薬剤師、検査技師、リハビリスタッフ、事務の皆様、そして今成さんに心からの感謝を申し上げます。
誠にありがとうございました。
順天堂大学医学部付属順天堂醫院 臨床研修医 林杏奈(研修期間R5.4.3~R5.4.30))
この度は研修を行う貴重な機会を与えてくださり、誠にありがとうございました。
阿賀野市という縁もゆかりもない土地で研修を始めることに不安と期待を感じながら参りましたが、先生や看護師さん、スタッフの方々がとても温かく、毎日の業務も充実しており、あっという間の1ヶ月でした。
外来枠を持ち、さらに主治医として入院患者さんの治療方針を決定し、ご家族に説明をすることは初めての経験で戸惑うこともありましたが、何事においても主体的に取り組むことができ、特に治療が奏功したときや、患者さんから感謝の言葉をいただいたときは大変嬉しく、何にも変えがたい達成感を味わうことができました。その一方で患者さんが亡くなったときは、無力感や不甲斐なさを感じましたが、畏敬の念を持って接する姿勢の大切さや学無止境であることを痛感しました。そのようなときに親身になって相談に乗ってくださったり、外来の合間を縫って患者さんの方針について助言してくださったり、症例検討会で振り返る機会を与えてくださった先生方に感謝を申し上げます。
研修ではcommon diseaseの診断とマネジメントから、急性心不全の初期対応や悪性腫瘍末期の患者さんを診ることができ、幅広い疾患を経験することができ、大変やりがいのある日々でした。診断基準や治療法を調べ処方し、患者さんの容体やデータを見て治療法を再検討することを反復することで、少しずつ診療のスピードが上がったことを実感しました。また、深刻な病状説明を行う際に心がけることを自分なりに考えることで、医療知識だけでなく患者さんに寄り添う医療を行うことについての理解が深まりました。
訪問診療では、実際に患者さんの自宅に伺うことで、患者さんの生活背景を把握しその方の人となりについて思いを馳せ、普段の外来診療とは一味違う経験ができました。また、手際よく患者さんの状態を把握し平易な言葉で説明することは難しく、これからもっと経験を重ねたいと思いました。
あがの市民病院で過ごした日々はあっという間でしたが、振り返ると様々な思い出を作ることができ、勉強はさることながら、瓢湖までの朝ランで見た風光明媚な景色、村杉温泉や月岡温泉で疲れを癒したこと、家まであと30分というところで電動自転車のバッテリーが切れてしまった上に雹が降ってきて災難だったこと、へぎそばやタレカツ、お寿司など地元の美味しいものをたくさん食べたこと、万代エリアも満喫したことなど、書き出すと止まらないほどの思い出ができました。美味しいお店や観光地を教えてくださった先生、一緒に出かけてくれた研修医には感謝の気持ちでいっぱいです。
最後に、院長、指導医の先生、看護師の方々をはじめとするコメディカルのみなさまに重ねて感謝申し上げます。カルテやシステムに不慣れで何度もご迷惑をおかけしましたが、その度に連絡をくださったり、丁寧に教えてくださったり、気さくにお話してくださったり本当にありがとうございました。将来、皆様に恩返しできるように邁進して参りますので、今後ともよろしくお願いいたします。
あがの市民病院の更なる飛躍を、陰ながら応援しております。
自治医科大学附属病院 臨床研修医(研修期間R5.1.9~R5.3.5)
1月から2ヶ月間、地域医療研修として大変お世話になりました。この2ヶ月間は外来業務も病棟業務も初めてのことばかりで戸惑うことが多く、周りの先生方や他職種の方にたくさん助けていただきながら研修を終えることができ、とても感謝しています。
自治医科大学では外来研修はなく、当直でも研修医のみで行う経験はなく、必ず上級医の先生と一緒に診察していたため、こちらの病院に来て初めて外来業務を経験しました。腹痛や腰痛、健診異常等、さまざまな主訴で来院される患者さんに対して研修1週目ではどのように接し、診察を進めていけばよいか、検査はどこまで行うべきかなど、わからないことばかりで不安だったことを覚えています。今でも毎日悩みながらの診療ですが、必ず指導医の先生に確認し、アドバイスをいただきながら、自分の中で少しずつですが診療の楽しさを感じられるようになりました。また、初診で受け持った患者さんの状態が良くなり、やりがいも感じられるようになり有意義に過ごせたことが貴重な経験となりました。それとともに、腹痛や腰痛等の主訴で受診され、考えられうる検査を施行しても原因がはっきりしない症状が多いことにも難しさを感じました。患者さんは間違いなく症状に困っているため受診したのに原因がわからないために対症療法で経過観察せざるを得ないことが予想以上に多く、戸惑うことが多かったです。また、同じ様な症状で受診しても検査をどこまで行うべきかを考えることも難しかったです。人対人の診療ではどれひとつ同じものはないため、ここに合わせ、診療も治療も変えていかなければならない重要さをとても感じました。
外来で診察し、入院が必要と判断した患者に対して主治医として本人や家族にICを行ったり、治療をし、退院まで診ていくことも初めての経験でした。また、人によっては治療はすでに終了し医療的な入院の必要性はないけれども、社会環境調整のために入院継続が必要な患者さんを受け持つこともあり、大学病院ではなかなか経験出来ないことも経験できとても勉強になりました。
あがの市民病院は病院内に介護医療院があり、介護老人保健施設も併設されており、ここで完結できることが多く、市民にとってなくてはならない場所だととても感じました。病院に併設しているので、何か体調に気になることがあればすぐに受診できるというのは、患者や家族にとって間違いないく安心できる場所であり、また、病院側としても連携を取りやすく患者の詳細な情報をすぐに得られるため、対応が素早く治療を行いやすいメリットがあると思います。私は4月から皮膚科医として働くため、他の科に比べれば生死に関わる疾患は少ないかもしれません。しかし超高齢化社会の今、内科的疾患を抱えた患者さんに関わることは多く、その時に地域の医療に関して理解していることで行政や医療と連携して患者さんにより良い医療を提供できるよう精進していきたいと思いました。この病院で研修できたこと、お世話になった皆さんに感謝します。ありがとうございました。
自治医科大学附属病院 臨床研修医(研修期間R5.1.9~R5.3.5)
まずはじめに、2ヶ月間あがの市民病院で地域医療研修をさせていただき、誠にありがとうございました。院長をはじめ、各科の先生方、病棟・外来の看護師の方々、検査技師・放射線技師・事務の皆様を含め多くの病院スタッフの方々に大変お世話になりました。2ヶ月間の研修を終え、多くのことを学び、成長できたと感じております。
研修内容としては、主に外来業務と病棟業務がありました。
外来業務では診療の流れや患者さんとのコミュニケーション・ICなどについて学びました。紙カルテ・紙オーダー、IDすらない完全に初診の患者さんを外来で診ること等初めてのことが多く、不安を感じていましたが、内科の先生方や看護師の方々に助けられながら、徐々に外来業務に慣れていくことができました。健診異常の精査、発熱、腹痛、食欲不振、浮腫、呼吸困難、意識障害など多岐にわたる主訴の方々を診察し、肺炎、胆石症、新型コロナウイルス感染症、インフルエンザ、心不全、腎不全、アニサキス症、胃潰瘍、特発生器質化肺炎、PE /DVT、COPD急性増悪など様々な症例を経験することができました。
病棟業務では、自分が外来で診察した患者さんで、入院が必要と判断された方の全身管理をさせていただきました。入院時は体調が優れなかった方が、治療が奏功し元気になって退院し、さらにフォローの外来でも元気な姿を拝見することができ、医師として何物にも変え難いやりがいを感じることが出来ました。一方で、ご高齢で徐々に食事摂取量が減少し全身状態が悪化してきたため入院となった方で、病院で最期を迎えてしまう結果になった方も経験し、自分の無力感を感じることもありました。しかし、外来・入院中に何度もご家族にICを行ったり早めに面会していただくなどしたことで、ご家族から「いい最期を迎えられました。ありがとうございました。」と感謝いただいた際には、また違ったやりがいのようなものを感じることができました。
あがの市民病院での研修を通して、地域に暮らす方々と深く関わり、地域医療の役割を理解し、僅かながらも地域医療における医師としての役割を実践することができました。この経験は今後の自分自身の医師人生において大きな糧になると思います。
最後に、院長、指導医の先生方、看護師の方々をはじめとする病院職員のみなさまに重ねて感謝申し上げます。あがの市民病院での2ヶ月間多くの方々に支えられながら研修することができ、医療はチームで行われているということを改めて実感しました。
今後も周りの方々に支えられていることに感謝を忘れず、日々の診療に全力で取り組んでいきたいと思います。
関東労災病院 臨床研修医 鈴木芳和(研修期間R5.1.30~R5.2.26)
この度は、4週間にわたる研修の機会を与えていただき、誠にありがとうございました。
豪雪に見舞われながら、あがの市民病院に初めて足を踏み入れた日のことを今でも鮮明に覚えております。あまりにも厳しい寒さの中、研修は始まりました。しかし、そんな気候とは一変、明るく温かいスタッフに囲まれ、充実した研修を送ることが出来ました。院長の藤森先生をはじめ、上級医の先生方には多くのことを教えていただきました。看護師さんを含むメディカルスタッフの方々にも様々な面で支えていただきました。ありがとうございました。慣れない一般外来業務がメインではありましたが、医師として必要不可欠なスキルであることに間違いなく、貴重な経験をさせていただきました。また、院内での症例検討会など知識や思考力をブラッシュアップする機会をいただけたことも大変ありがたかったです。
担当した患者様のほとんどが高齢であり、一人暮らしや高齢者のみの世帯で生活をされている方も決して珍しくなく、地方における超高齢化を肌で感じることができました。また、そのような環境における医師の働きの重要性も痛感させられました。あがの市民病院は急性期の患者様が入院する病棟に加え、介護保険の施設である介護医療院があり、また、介護老人保健施設も隣接していました。それぞれが連携することで、高齢の患者様を医療的側面だけでなく、社会的側面からも支援する体制が整えられており、地域におけるとても重要な役割を果たしていると感じました。また、疾患の治療だけでなく、社会調整目的に入院となる患者様も担当することで、患者様を全人的に診て、支援するという視点も学ぶことができました。これらは関東圏内の役割が細分化された医療機関ではなかなか体験できることではないと考えており、これらを初期研修医の間に経験できたということは、今後医師として働いていくうえで貴重な財産になるということを確信しております。
至らない点も多々あったかと存じますが、お忙しい中、丁寧にご指導いただきました先生方、慣れない環境の中様々な場面で助けてくださったメディカルスタッフの方々、阿賀野市での生活を支えてくださった事務の方々、本当にありがとうございました。今回の研修での経験を活かし、これからも精進していきます。
関東労災病院 臨床研修医 清水道紀(研修期間R5.1.2~R5.1.29)
1ヶ月という短い間でしたが、地域研修としてあがの市民病院でお世話になりました。
この地域研修は初日の藤森院長のお話から始まりました。そのお話の中では、地方は超高齢化が進んでいるという事と、漢方薬をうまく活用して欲しいという2点が印象的でした。そして実際当院で一般外来、救急対応で働く中で、この2点に関して強く実感したことがありました。
1つ目の、地方では超高齢化が進んでいるという話は、やはり受診される患者のご年齢から実感できました。阿賀野市の令和2年の高齢化率は33.7%と上昇傾向であり、一人暮らし高齢者や高齢者世帯、認知症高齢者が増加しています。特に一人暮らしの高齢者の方は受診することそのものが困難であり、自宅で体動困難となっている場合には受診が遅れてしまうことがありました。入院治療後の退院となった際も、自宅で介護できる方が少なかったり、介護する方もご高齢であったりと、地方の高齢化及び人口減少を身をもって実感しました。当院には介護医療院が併設されており、自宅で過ごせない方々の点滴や胃管等の管理を継続して行なっていける点で、地域医療に強く貢献していると感じました。
2つ目は漢方薬についてです。お恥ずかしながらこれまでの初期研修を通して、大建中湯しか処方してきませんでした。またその作用、薬効や処方時の考え方については精通しておらず、漢方についての知識を問われた際に返答に詰まってしまったことを記憶しております。いただいた「漢方薬ポケットBook」は自分のような初学者でも理解できるよう簡潔にまとめられており、重宝しました。初診外来は食思不振や腹痛など鑑別が広い主訴が多く時に明らかな結論に達しない場合があります。中でも印象に残っている1症例があります。肋間神経痛を疑う側胸部痛があり、疼痛薬やメチコバール等内服で改善を認めなかった症例です。その他の疼痛原因の精査をした上で、肋間神経痛を疑い桂枝加朮附湯の処方をしましたが、その後の再診時に症状改善しており漢方薬の効能を実感いたしました。この処方は当院での研修がなければ想起もしなかった選択肢であり、大変貴重な経験をしたと感じております。
総括しますと、地域医療の現状とその対応について体験し、主治医として責任を持って治療選択にあたった1ヶ月間でありました。医師、看護師だけでなく看護補助者や技師の方々とも交流する機会があり懇切丁寧にご指導いただいたおかげと感じております。もくもく勉強会などコメディカルの方々と顔を合わせる機会も設けていただき、コロナ禍で対人交流の疎遠になった中でもスタッフ同士の交流を行うことができたと思います。改めて、大変お世話になりました。ありがとうございました。
自治医科大学附属病院 臨床研修医 (研修期間R4.11.7~R5.1.8)
2か月間あがの市民病院で地域研修をさせていただき、誠にありがとうございました。病院のスタッフの皆さまのおかげで、短期間ではありましたが大変濃密で学びの多い研修を行わせていただくことができました。こちらへ来る前は、初めて住む阿賀野市という土地のイメージが湧かず、不安もありましたが、実際に来てみると、瓢湖に観光に行ったり、通勤時に空を羽ばたく白鳥を見かけたりして、心が洗われるような自然豊かな環境で、充実した2か月を過ごすことができました。また、研修開始時は過ごしやすい気候でしたが、徐々に凍えるような寒さとなり、想像を超える積雪量に、新潟の冬の厳しさを改めて痛感しました。
あがの市民病院の地域研修では、主に内科外来、発熱外来、病棟管理を担当いたしました。
内科外来や発熱外来では、次から次へと受診される患者さんの数の多さに圧倒されてしまう場面がありましたが、大学病院で診ることの少ないcommonな疾患を持つ患者さんを多く診察することができ、大変勉強になりました。
病棟では、主治医として様々な疾患の患者さんを担当いたしました。主治医を務めるのは初めてであり、主治医としての責任と緊張感を身をもって感じ、大変貴重な経験をさせていただいたと思っています。印象に残っていることとしては、主治医として患者さんとそのご家族に病状説明をする機会が多くあり、分かりやすく、正確に現状を伝えるためにはどのような表現で説明をすればよいか、時に指導医の先生方に助けていただきながら、試行錯誤したことです。大学病院では、自ら病状説明を行う機会は今までなく、上級医の先生の説明を聞いているだけでしたが、実際にやってみると、説明することの難しさを痛感するとともに、患者さんとそのご家族の気持ちに寄り添えるような説明を目指したいと思いました。今後、先生方の病状説明を参考にしながら、自分なりの型を作っていければと考えています。
また、毎週火曜日に行われる院長回診では、受け持ち患者さんのプレゼンテーションを行う中で、藤森院長からフィードバックを頂き、新たな気づきを得る場面が多くありました。起こったことに対処することで精一杯になってしまっている自分に気づき、どうしてこのような病態になったのか、原因を考えることの重要性を改めて感じました。
最後にはなりますが、2か月間大変お世話になりました。病院のスタッフの方々や同期の先生の励ましや支えがなければ、地域研修を終了することは困難だったと思います。本当にありがとうございました。あがの市民病院の地域研修で学んだことを生かし、医者として働いていく中で患者さんに還元することができるよう、これからも精進していきたいと思います。また、どこかでお会いできることを楽しみにしております。
自治医科大学附属病院 臨床研修医 (研修期間R4.11.7~R5.1.8)
2か月間大変お世話になりました。期待と不安を抱えて新幹線に乗り込み、紅葉に染まった山々を見ながら水原駅にたどり着いた時のことをつい昨日のことのように思い出しながら書いています。
あがの市民病院での研修は、初日から今までの研修医生活では経験できなかったことの連続でした。私の記念すべき初めての外来は胸痛が主訴の方でした。胸痛で考えなければいけない疾患、聞くべきこと、取るべき身体所見や検査を一生懸命考え、一人の患者さんを診ることはこんなにも大変で不安なものなのかと実感しました。もちろん指導医の先生方はお忙しい中、丁寧に一緒に考えてくださり、大変心強かったとともに、私には抜けていた様々な視点を提示してくださり、とても勉強になりました。後日、私が疑った診断が間違っていなかったことがわかり、再診時に「だいぶよくなったよ」とおっしゃっていただき、とても嬉しかった気持ちは、この先医師を続けていく中で一生忘れない出来事だと思います。その他にも、健診異常という日々の健康を維持し病気の予防となる診察から、虚血性心疾患や脳梗塞という緊急で対応しなければならない疾患まで、本当に幅広くかつ重要なcommon diseaseを経験することができました。
病棟では初めて主治医として治療方針を決めるという難しさを痛感しました。入院時からご本人やご家族とお話し、共に治療を行っていく中で病態や治療内容をわかりやすく伝えたり、時には厳しいお話をしなければいけなかったりした際に言葉を選びながら説明することは非常に難しく大変でした。しかし、丁寧に繰り返し伝えることで感謝されたときは本人やご家族との信頼関係の重要性を実感し、症状が軽快し退院することができたときは本当にうれしく医師としてやりがいを感じられました。そして私がこの研修で最も楽しみにしていた訪問診療では、吹雪いている中行くこともあり、暖かいお宅にお邪魔した際には、住み慣れた自宅でご家族と過ごしながら療養することができる環境が整っているということは、患者さんにとってとても重要なことで、今後在宅医療を行っていくという自分の目標を再確認することができました。短い期間でしたが、すべての症例は今後家庭医を目指す私にとってとても重要で興味深いことばかりであり、本当に貴重かつ必要な経験をさせていただいきました。日々の診療でうまくいかないこともあり落ち込むこともありましたが、研修医の間に自分で考え自分で判断し実行するという経験を繰り返し行えて本当によかったと実感しています。今後大学病院に戻ってからもこの経験を活かし、主体的に考え積極的に患者さんやご家族に接していこうと思っています。
最後になりましたが、お忙しい中丁寧にご教授くださった先生方、カルテの使い方や病院のシステムなど優しく教えてくださった看護師さん、休日や夜間も対応してくださった検査科や技師の皆さん、生活を支えてくださった事務の方々、そして本当にお忙しい中症例検討や回診などで様々なことを教えてくださった院長先生には感謝してもしきれません。2か月間、本当にありがとうございました。
関東労災病院 臨床研修医 (研修期間R4.12.5~R5.1.1)
この度は1か月間にわたりあがの市民病院で地域医療研修を行う機会を与えていただき誠にありがとうございました。新型コロナウイルス感染症が第8波を迎え猛威を振るい、また厳しい寒波が新潟県を襲う中ではありましたが、先生方のご指導や看護師、放射線技師などメディカルスタッフの方々、事務の方々のご配慮の下で、研修を修了することができました。この場をお借りして厚く御礼申し上げます。
阿賀野市は高齢化率が令和4年3月現在で34%を超え、高齢化が進んでいる地域です。その中であがの市民病院は阿賀野市の他に阿賀町、五泉市を含めた3つの自治体を医療圏とした総合病院として、一般病床、地域包括ケア病床、介護医療院を有し、急性期から回復期、慢性期、在宅医療に至るまで対応しているため、訪れる患者様は多種多様です。また、関連施設として健康管理センター、介護老人保健施設、訪問看護ステーション、居宅介護支援事業所があり、地域中核病院として、高齢者医療、在宅医療など地域包括ケアの中心として、「医療、介護、介護予防、生活支援、住まい」のサービスをシームレスに提供しています。
今回の研修では、主に内科初診外来と病棟主治医を担当させていただきました。その他にも訪問診療、救急対応と様々な経験をさせていただきました。内科初診外来では急性発症の症状だけでなく、慢性的な症状や健康診断異常など、長期的視点を考えながら診療にあたる必要のある患者さんを数多く診察させていただきました。阿賀野市周辺地域の開業医数は他地域と比較すると少なく、地域住民の方々の外来診療に対する期待は高いため、その期待に応えるべく奮闘する日々でした。複数の基礎疾患を有する高齢患者が多いため、臓器別専門知識はもちろんのこと皮膚科、泌尿器科などといった内科以外の網羅的知識が必要であり戸惑うことが多くありました。それに加え、患者さん1人1人の社会的背景にも配慮しながらの診療は苦戦しましたが、指導医の先生方のフィードバックや院長先生の振り返りを通して、自分の診療の反省点について、その都度ご指導いただけたことで日々成長を実感できました。病棟では主治医として日々の診療にあたり、方針決定から病状説明まで主体的に診療させていただきました。多職種の方々との連携で担当患者さんが無事に退院された時には何ものにも代え難い喜びを感じることが出来ました。一方で長期の入院を余儀なくされる患者さんもおり、その方の入院生活がよりよいものとなるように働いたことも今後の大きな糧となると確信しています。
研修期間中は医師として、そして人としての実力不足を痛感する場面も多々ありました。しかし、関わっていただいた皆様のおかげで充実した研修期間とすることができました。この1ヶ月間で得た貴重な経験を今後の診療に生かし、日々精進していきたいと思います。
関東労災病院 臨床研修医 A.N(研修期間R4.11.7~R4.12.4)
新型コロナウイルス感染症が流行する中、地域研修を行わせていただき誠にありがとうございました。研修期間中に第8波と重なったこともあり、発熱外来を受診する患者さんは連日増加し、クラスターで新規の入院を停止せざるを得ない事態になるなど、新型コロナウイルス感染症の感染力の強さを再認識させられました。
あがの市民病院では、外来と入院を担当させていただきました。外来では、自分の外来枠を受け持ち、指導医の先生からフィードバックをいただきながら、主に新患患者さんを担当させていただきました。普段勤務している関東労災病院では自分枠の外来を担当することはほぼなく、救急外来がメインとなっています。救急外来は特性上、緊急性の有無に重点が置かれており、精査は後日外来に来ていただく、あるいは、かかりつけ医でフォローをお願いしていました。自分の外来を担当することがないため、救急外来での対応で患者さんがその後よくなったのか、悪くなったのか、変わらなかったのか直接お会いして様子をうかがう機会はなく、精査の場合は、専門科にお願いしていました。新患で担当した患者さんに自ら治療介入を行い、自分でフォローする、精査を進めていく過程は新鮮でした。フォローした際の外来でよくなった様子を拝見できた時は、日々喜びを感じるとともにホッとする瞬間でした。
入院業務では、指導医の先生にお力添えをいただきながら、主治医として担当させていただきました。主治医として患者さんやそのご家族と相談しながら、患者さんの治療方針を決定し、経過をお話しするのは初めての経験でした。厳しい状態の患者さんにインフォームドコンセントをする機会があり、患者さんやそのご家族にとってどうするのがよいのか、ご本人・ご家族にどうお伝えしようか日々、悩みは尽きませんでした。
指導医の先生方、医局の秘書さん、看護師さんをはじめとするコメディカルの方々に至らぬ点を多々サポートしていただきました。多くの方々の支えによって普段できないようなことを経験させていただき、充実した研修を行うことができました。どこかで機会がありましたら、またご一緒に働けることを楽しみにしております。その時に成長した姿でお会いできるよう、今回の経験を生かして日々精進したいと思います。
1か月間大変お世話になりました。ありがとうございました。
関東労災病院 臨床研修医 上野竜治(研修期間R4.10.10~R4.11.6)
「いつ急変されてもおかしくない状態になってしまったと言えます」
主治医として、僕は電話口で患者さんの御家族に話をしている。
僕はこの病院で初めて主治医というものになった。主治医にはやらなければならないことが多い。患者さん、御家族のことを理解し、治療方針を提案し、治療予定を立てる。各科に相談し、検査を決め、結果を評価し、御本人や御家族に説明する。常に先のことを考えて治療にあたらなければならない。だが、残念ながら想定通りに事が進まないことの方が多いように感じる。僕の患者さんも、経過良好だったのだが、突如として生命が脅かされる事態が生じたのである。
「面会を許可させて頂きたいと思います。ご都合が決まりましたら再度ご連絡頂けますか」
一方で、主治医にはできることが多い。僕は患者さんには全員親族のつもりで接している。親族の命が危ぶまれているのに会えないことがどれほど辛いかを僕は知っていた。現在ほとんどの病院が感染症対策で面会ができない。そういった観点では、この段階での面会許可は時期尚早かもしれないとも思った。だが僕の提案を指導医の先生は快諾して下さった。その後御家族は当日の面会を希望された。閉鎖空間で患者さんと時間を過ごした方が良いと判断し、看護師さんに個室を用意して頂いた。突然の指示にも関わらず、看護師さんは快く対応して下さった。「会話ができたんですよ」。面会後、部屋から出てきた御家族は笑顔だった。
あがの市民病院での研修は、主治医としての責任や自らの未熟さを痛感しつつも、退院していく患者さんの表情にやりがいを感じる日々だった。主治医を実際に経験して強く感じたことは、主治医はあくまで“主だって治療にあたる医師”にすぎないということである。僕が主治医になり得たのは、指導医や看護師、薬剤師、MSW、そして患者さんと御家族、全ての人に支えられたが故だった。主治医として、チーム医療の肝要さを大いに感じた1か月間だった。今後、再び主治医として患者さんを担当させて頂く際は、今回の研修で学んだチーム医療を活かして患者さんに少しでも質の高い医療を提供したいと思っている。
1か月間が信じられないほど早く過ぎたように感じる。そう思うほど、僕の研修が充実したものになったのは周囲の方々に恵まれていたからである。僕のような一研修医をいつも気にかけて下さった藤森院長をはじめとする先生方各位、覚束ない僕を指導医として見守って頂いた先生方、研修初期の僕を支えて頂いた松川看護師、病棟や外来で忙しい中、迅速に対応して頂いた看護師各位、毎朝暖かい言葉をかけて下さった事務の今成氏、他すべてのお世話になった方々に感謝を申し上げたい。また、同時期に大垣先生、石塚先生、花野先生と研修ができたことは自分にとって幸運だった。彼らからはチームワークの大切さ、医療に真摯に向き合う姿勢を学んだ。何より、同期の暖かさを肌身に染みるほど感じた。医師として、人間として尊敬するべきところが多く、本当に同期に恵まれた1か月間だった。
半袖でやって来た新潟だが、帰京する今となってはジャンパーが必要になった。もうすぐ長い冬が来て、新潟を深い雪が覆う季節になる。外来や病棟で、高齢者同士の家族の多さを大いに感じた。病院だからという点を考慮しても、高齢化は顕在しているように思われた。厳しい季節になるが、どうか体調変化、雪による転倒に十分気を付けて頂きたい。あがの市民病院で研修をした一研修医として、地域の方々の健康を願っている。
あがの市民病院と、前述した方々すべての今後のご活躍とご健勝をお祈り申し上げます。
1か月間本当にありがとうございました。