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2020年9月号 消化器病センター医師 丹羽佑輔
なんでも美味しい新潟だからこそ要注意!〜お酒と食事と脂肪肝〜
今年度あがの市民病院消化器病センターに赴任しました内科の丹羽佑輔(にわゆうすけ)と申します。私は東京出身で、新潟県は自然が豊かでとても素敵なところだと思っています。なかでも、お米や地酒・地ビール、野菜に果物、肉・魚と食事が美味しいです。しかし飲み過ぎ・食べ過ぎで大変な病気になってしまう方も少なくありませんので、この場をお借りしてお話します。
皆様、お酒の適量はご存知でしょうか。健康な男性ではエタノールとして20gまでとされています。これは5%のビールで500mL、14度の日本酒で約180mL(1合)、25度の焼酎で100mLに相当します。意外と少ないと思いませんか?また女性や高齢の方、お酒が弱い方はこれより少なくなります。適量であっても休肝日(お酒を飲まない日)を週に連続して2日とることが勧められています。これらの目安はあくまで「健康な方」が前提で、既に肝障害がある方はさらに少ない量や頻度、あるいは完全に禁酒しなければならない場合もありますので主治医にご確認ください。
長期間、適量を超える飲酒を続けていくと脂肪肝になり、さらには肝硬変になります。肝硬変になると、もとの元気な肝臓に戻ることはありません。さらに進むと腹水、黄疸、胃・食道静脈瘤破裂、肝性脳症、肝臓癌など様々な症状に悩まされます。
実は最近お酒を飲まない方の脂肪肝も増えてきています。日本人の約3割に脂肪肝があり、肥満になるほど脂肪肝も増えますが、BMI 22.5〜25で肥満とは言えない程度でも約3割の方に脂肪肝があります。飲酒しない方の脂肪肝も肝硬変になる場合があります。脂肪肝は糖尿病、脂質異常症、高血圧などとの関わりもあります。
当院では肝臓の硬さを測るエコーも導入しておりますので、受けたことがない方はぜひ受けてください。まずは主治医に相談してみましょう。脂肪肝について、当院で栄養指導を受けることもできます。上手に食事やお酒を楽しみましょう!