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2022年2月号 歯科口腔外科 歯科衛生士
唾液は強い味方!
マスクをすることが当たり前になって、もうすぐ2年。今まで【顔全体の化粧をしていたのが目だけメイクすればいいから経済的】とか【髭をそらなくてもいいから朝が楽】とか【週末しかニンニク料理が食べられなかったけど今はマスクしているから、いつでもOK】とか思っている人、多くなったのではないですか?
その一方でマスクをしていることで、お口のトラブルが出てきた人もいるのではないでしょうか。その原因の一つに口腔乾燥があります。唾液(潤い)が減る事で口の中で何が起こっているのか、気になりますよね。今の時期だからこそ改めて唾液の役割について説明します。普段、無意識でも出てくる唾液ですが、通常は1日量で1リットルから1.5リットル程と言われています。大きいペットボトル1本分です。大事な作用として①食べ物を噛む、まとめる、飲み込む、という食べる行為を円滑にする②細菌の増殖を抑える③舌、のど、食道などの粘膜を保護する④食事により酸性に傾いた口の中のpHを中和させる⑤発語や会話をスム-ズにする、などがあります。マスク生活で息が苦しくて、つい口呼吸をしていると、口腔内が乾燥して唾液が減少します。内服薬も影響するものがあります。その結果口の中が荒れやすくなり、虫歯や歯周病のリスクが高まります。口腔細菌も多くなるため口臭も気になるようになります。飲み込みにも影響し誤嚥にもつながります。このように、唾液は口の中を守るだけでなく、全身の健康へも影響をあたえます。清潔でサラサラした唾液を保つためには適切な歯磨きが欠かせません。
また、日頃からかかりつけ歯科をつくり、定期検診や機械的口腔清掃を行うことも大切です。ストレスも唾液の減少の原因の一つですから、良質な唾液を作る為に【良く咬み、よく話し、よく笑う】ことで口の機能を使い、楽しく毎日を過ごし、口の中だけでなく生活も潤していきましょう。